αリポ酸を有効活用しよう!αリポ酸の2つの効果と副作用

αリポ酸 効果
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αリポ酸は楽に脂肪を燃焼させることができる、疲労回復できるとして言われています。しかし、本当に効果があるのか半信半疑な方も多いのでは無いでしょうか。

今回αリポ酸に関して、私をはじめとする医大生のメンバーで、医学論文を調べ上げました。

その結果、αリポ酸には効果があるとわかっているものと科学的に根拠がないものが存在するということがわかりました。また、αリポ酸には厄介な副作用もあると言うことも見えてきました。

安全かつ適切にαリポ酸を使うためにこれらの知識を知っておきましょう。

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目次

1.有効な可能性の高いαリポ酸の効果

2.αリポ酸の正しい摂り方と厄介な副作用

3.科学的根拠のないαリポ酸の効果

4.現時点で効果がないとわかっているαリポ酸の効果

1.有効な可能性の高いαリポ酸の効果

科学的に有効な可能性が高いのは

  • 激しい肉体労働の後の栄養補給
  • 2型糖尿病の治療

の2つです。

この二つに関してはいくつか注意点があります。有効に活用するために、注意点についても知っておきましょう。

1-1.(一部の人での)疲労回復

激しい肉体労働をしている人で、疲れやすい人には疲労回復の効果があります。しかし、その他の疲労回復に対しては効果がない可能性が高いです。

というのも、激しい肉体労働後にはαリポ酸不足になりがちです。それが原因で疲れやすくなったりします。

こういったαリポ酸不足で疲れやすくなっている人に対して、αリポ酸を原料とする注射薬(チオクト酸)や経口薬(チオクト酸アミド)といった薬を使うことで疲労回復することがわかっています。

土木建築系など肉体労働が多い職業の方で、疲れやすい状態が続いているのなら、病院に行ってみると良いでしょう。必ずしも原因がαリポ酸不足によるものとは断定できません。しかし、 激しい肉体労働をしていることを伝えれば最善の解決策を提示してくれるでしょう。

1-1-1.どんな疲労回復にでも効果的というわけではない

私の意見としては、疲労回復全般にαリポ酸を含む商品を使うのはお勧めしません。

というのも、激しい肉体労働での疲労以外に効果があったという実験結果がなく、αリポ酸にはやっかいな副作用もあるからです。副作用に関しては2.αリポ酸の正しい摂り方と厄介な副作用で解説しています。

そのため、肉体労働がよっぽど激しい場合を除いては、αリポ酸を使わないほうがいいように思います。

1-2.2型糖尿病の治療

2型糖尿病の治療に対して効果がある可能性が優良な研究で示唆されています。ただし、研究数が少なく更なる実験が必要である状態でもある点には注意が必要です。

2型糖尿病患者74人に対してαリポ酸600-1800mgを4週間投与した。その結果、インスリン感受性と糖代謝を改善した。

引用論文:Oral administration of RAC-alpha-lipoic acid modulates insulin sensitivity in patients with type-2 diabetes mellitus: a placebo-controlled pilot trial.

2型糖尿病の治療に関しては、この論文でも記してあるが更なる研究が必要です。まだ、確実に効果があるとはいえない段階です。

そのため、2型糖尿病の方でαリポ酸を利用しようと考えている方は必ず担当の医師と相談の上、摂取するかどうか決めるようにしましょう。そうすることで薬と健康食品の相互作用による副作用を回避することができます。

2.αリポ酸の正しい摂り方と厄介な副作用

αリポ酸 摂取

αリポ酸についてどういう場合に摂取するべきか、副作用の存在などを知っておきましょう。そうすることで、安全で効果的にαリポ酸を使うことができるようになります。

2-1.αリポ酸は基本的に不足する成分ではない

αリポ酸は普通の食生活をしていれば健康食品などで余分に摂取する必要はありません。

αリポ酸は強力な抗酸化作用に注目されているビタミン様物質です。

ビタミン様物質とは

ビタミンに似た生理作用をもつ有機化合物。微量で体内の代謝に重要な役割を担うが、ビタミンとは違って体内で生合成できるため、栄養素として必ずしも摂取する必要がないもの。

デジタル大辞泉より引用

 つまり、重要な栄養素であるが体の中で合成できるため、特別に食事として摂取する必要はないのです。αリポ酸はよほどのことがなければ不足しないことがわかっています。

食事として摂取する場合、にんじん、ほうれん草、ブロッコリー、トマトなどの緑黄色野菜や、ジャガイモ、レバーなどといった食べ物に含まれます。αリポ酸を積極的に摂りたいという方はこれらの食材を食べるようにしてみましょう。

また、αリポ酸の生合成は年とともに減っていくからαリポ酸を摂取するべきだという意見もあります。しかし、研究によると、病気による吸収異常などでなければ、不足するわけではないことがわかっています。以下の項目で不足しやすい方について解説していきます。自分がそこに該当するか確かめてほしくおもいます。

2-2.αリポ酸不足になりやすい人

健康な人では普通に食事を食べていればαリポ酸が不足することはまずありません。αリポ酸が不足する人がどういう場合かしっかり認識することで、不足気味だから取るようにという宣伝文句にのせられなくなるでしょう。

栄養剤として補給が必要なのは、胃がんや大腸ガンなど胃腸に病気のある人などです。この場合は医師との相談の上αリポ酸を始めとする健康食品などの摂取を検討しましょう。薬との相互作用による副作用も存在する可能性があるので、必ず医師に相談するようにしましょう。

先ほども説明しました通り、ひどい肉体労働後などでも不足しがちです。しかし、十分に食事がとれていれば多くの場合問題ありません。

また、無理なダイエットや偏食が続くと、ビタミンが不足がちになり疲れやすくなることもあります。そのような場合は、薬やサプリメントだけに頼るのではなく、普通に食事をとることが何より大切です。上の項目で示したニンジンやほうれん草、ジャガイモ、レバーなどを積極的に食べるようにしましょう。

2-3.厄介な副作用になる可能性がある

αリポ酸を摂取していて動悸・冷汗・手指のふるえといった症状がみられる場合があります。これはαリポ酸の副作用として起こるインスリン自己免疫症候群とそれに続く低血糖症状によるものです。この症状はαリポ酸の摂取をやめると改善します。

原因は遺伝的なものです。厚生労働省によると、1970年に発見されてから40年で300例見つかっています。また、90%はアジア人であり、アジア人の遺伝性と関連があると考えられてます。

さらに厄介なのは合併症です。この副作用は80%の症例で、他の病気を合併します。最も多いのはバセドウ病です。目がぎょろっと飛び出たり、甲状腺がはれたりする病気です。バセドウ病は適切に治療すれば治るが、放置すると心室細動や脳梗塞といった死に至る危険があります。αリポ酸の副作用には気をつけましょう。

2-4.サプリメントや健康食品を摂取するなら気をつけたいこと

αリポ酸の安全性に関しては、600mg以下の量ならば安全という実験があります。それ以上の用量に関しては安全性が確認できていないので600mg以内に抑えるようにしましょう。

また、日本人では遺伝的に、インスリン自己免疫症候群を引き起こす可能性が欧米人等に比べはるかに高いことがわかっています。そのため、αリポ酸を摂取してから動悸や冷や汗、手の震えといった症状が見られたら必ず病院に行き、αリポ酸を摂取していることを伝えましょう。

3.科学的根拠のないαリポ酸の効果

 αリポ酸の効果に関して、科学的な実験が十分でないものが二つあります。副作用を考えると、効果が怪しいもののためにαリポ酸を使うべきではないと私は思います。

科学的データが十分でないものとしては

  • ダイエット
  • 皮膚の加齢

です。これらに関して簡潔に解説します。

3-1.αリポ酸はダイエットに対する効果は実証されていない

αリポ酸はエネルギーの生産効率を上げダイエットに効果的だと言われているが、ダイエットに効果的という人間での科学的な論文は存在しませんでした。そのため、ダイエットのためにαリポ酸を使うべきではないと私は思います。効果があるかもという宣伝を見かけたら注意してほしくおもいます。

実は、ラットや試験管内での実験により、体重が減少したという論文が4件存在します。しかし、人で体重が減少したという論文は未だ一つも見つかりません。

ラットで効果があるなら人でも効果あるのではないかとお思いの方もいるでしょう。しかし、残念ながらラットで効果があっても、人で効果がみられなかったという実験はよくあることです。特に肥満に関する研究では、ラットなどの実験動物は人に比べ遥かに褐色脂肪が多いため、褐色脂肪細胞の活動を活発にする薬を使えば簡単に体重が落ちがちです。

楽にできそうだからとはいえ、効果が立証されていないものにお金を使うのはもったいないことではないでしょうか。正しい方法でダイエットしてほしく思います。

3-1-1.健康食品でよく一緒に使われているカルニチンはどうなの?

ダイエットサプリなどでαリポ酸とよく一緒に推奨されているカルニチンに関しても、効果がない可能性が高いです。カルニチンをダイエットの目的で利用するのもやめたほうがいいように思います。

過体重の成人35名を対象としたRCTにおいて、L-カルニチン200 mg/日+共役リノール酸700 mg/日含有製品を8週間摂取させた。

その結果、体格 (体重、体脂肪率、BMIなど) 、糖代謝 (空腹時血糖値、HbA1c、インスリン濃度など) 、血中脂質濃度に影響は認められなかった。

引用文献:Anti-Aging Medicine. 2007

3-2.皮膚の加齢に効果ありとするには科学的データが不十分

アメリカで最も科学的な栄養データベース(natural medicines comprehensive database)によると、まだ科学的データが不十分とされています。私は効果がないもののためにαリポ酸を使うべきではないように思います。

α-リポ酸を5%配合した配合したクリームを顔に塗布することで日焼けによるしわ、肌荒れを抑える可能性があるとする初期の研究があります。

ナチュラルメディシン・データベースより引用

現時点では信頼性の低い研究しかなく、まだ効果があるとは十分に言うことができません。世界中の医学論文が検索できるサイト(pubmed)で論文をさらに調べてみたが、他に皮膚の加齢とαリポ酸について研究発表している論文は見当たりませんでした。まだ、研究の必要があるでしょう。また、経口摂取した際のαリポ酸の効果については、信頼できる論文が見当たりませんでした。

クリームであれ、経口摂取であれまだ科学的に効果が認められていないものであることには注意した上で使うかどうか考えましょう。

4.現時点で効果がないとわかっているαリポ酸の効果

効果なし

 αリポ酸の効果に関して現時点で効果がない可能性が高いのは3つです。効果がない上副作用も存在するため、以下の場合ではαリポ酸の利用をするべきではないように思います。

効果がない可能性が高いものは

  • アルコールが原因で起こる肝臓機能の低下(アルコール性肝障害)
  • 急に心拍数が増えたり脈が飛んだりする神経の病気(心臓自律神経症状)
  • HIVと同時に起こる判断力や理解力の低下(認知機能障害)

です。

以下でこれらについて解説していきます。

4-1.アルコールが原因で起こる肝臓機能の低下(アルコール性肝障害)には効果なし

お酒などの飲み過ぎで起こるアルコール性肝障害には効果がない可能性が高いです。

アルコール性肝疾患の患者40人に対して二重盲検無作為化プラセボ比較試験を行った。実験群20人では600mg/日6ヶ月投与しプラセボと比較した。

その結果、アルコール性肝障害の経過に対して改善の影響は見られなかった。

参考論文:Treatment of alcohol-related liver disease with thioctic acid: a six month randomised double-blind trial.

このため今のところ、アルコール性肝疾患の患者に対して改善しない可能性が高いです。

アルコール性肝障害ではαリポ酸の摂取以外の方法を用いることを勧めます。 

4-2.急に心拍数が増えたり脈が飛んだりする神経の病気(心臓自律神経症状)には効果なし

心臓の自律神経症状には効果がない可能性が高いです。 自律神経障害ではαリポ酸などの民間療法に頼らず病院の治療をしっかりと受けて欲しく思います。合わない医師ならば病院を変えるのも良いでしょう。

心臓の自律神経障害とインスリン非依存性糖尿病の患者73人において二重盲検無作為化プラセボ比較試験を実施した。実験群39人に対し800mgのαリポ酸を4ヶ月摂取させ、心電図で自律神経機能の改善を調べた。

その結果、αリポ酸を摂取した群の方がやや改善したが、有意な差は現れなかった。

参考論文:Effects of treatment with the antioxidant alphalipoic acid on cardiac autonomic neuropathy in NIDDM patients. A 4-month randomized controlled multicenter trial (DEKAN Study). Deutsche Kardiale Autonome Neuropathie.

 このように、心臓の自律神経疾患に効果がない可能性が指摘されています。民間療法に頼らずに病院での治療をしっかり受けることを勧めます。

4-3.HIVと同時におこる判断力や理解力の低下(認知機能障害)に効果なし

高度なHIVで判断力や理解力といった認知機能が低下する事例があります。それに対しαリポ酸は効果がない可能性が高いです。そのため、この場合もαリポ酸のサプリなどに頼るべきではないように思います。 

HIVで認知機能障害になった患者36人に対し二重盲検無作為化プラセボ比較試験をし、デプレニル処理とチオクト酸(αリポ酸)の効果について評価した。

その結果、チオクト酸は、認知機能を改善しなかった。デプレニル処理は、穏やかなHIV関連認知障害を有する被験者における認知の改善と関連していることを示唆している。デレプニル処理の有効性に関しては更なる実験が必要となる。

参考論文:A randomized, double-blind, placebo-controlled trial of deprenyl and thioctic acid in human immunodeficiency virus-associated cognitive impairment. Dana Consortium on the Therapy of HIV Dementia and Related Cognitive Disorders.

HIVでの認知機能障害の場合はしっかりと病院に行くことを勧めます。

5.まとめ

αリポ酸に関して、有効な効果、証明されていない効果、効果がない可能性が高いものを解説しました。ぜひ正しい知識を知り、生活に取り入れていただきたく思います。

また、αリポ酸の摂取方法と副作用も解説しました。αリポ酸のサプリメントや健康食品を利用する際には、このようなことを頭に入れた上で正しく利用しましょう。

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