医学研究を徹底調査!コレステロールを下げる4つの食品とは

コレステロールを下げる食品
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コレステロール値を下げるために、どういった食生活を送ればよいか気になっている方は多いでしょう。

実は、コレステロールを下げるとして、一般に言われている食品は100種類以上あります。せっかく気を付けるなら、一番効果が期待できる方法を実践したいですよね。

そこで、私たち医大生で「コレステロールを下げる食品」として言われている100以上の栄養素・食材について医学研究・専門書をもとに調査してみました。

その結果、4つの食材・栄養素では非常に信頼性が高い複数の研究で効果が示されていました。また、効果が証明されていないものが非常に多く見られました。

ぜひ、コレステロールを下げるために、ベストな食材を知って生活に取り入れましょう!

コレステロールと中性脂肪はどちらも脂質の一つですが、別のものです。この記事ではコレステロールについてのみお話しています。
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1.医学研究からわかった!コレステロールを下げる4つの食品・栄養素

コレステロールを下げると言われている100以上の栄養素の中で、医学的に最も信頼性の高い4つの栄養素・食材を紹介しようと思います。

  • サイリウム
  • 大麦
  • オーツ麦(エンバク)
  • 植物ステロール

コレステロールが高めで、コレステロールを下げたい場合はこれらの食品を利用するのがおすすめです。

ここからは、これらの食材や栄養素のメカニズムや生活への取り入れ方を詳しく見てみましょう!

他にも効果の可能性が考えられている栄養素はあります。上記の4つは有効と考えられている中でも、最も科学的に信頼性のおけるおすすめの4つです。その他の効果が期待される食品については1-5.それ以外で有効と考えられているもので紹介しています。

1-1.サイリウム

サイリウム

オオバコ科の植物で、食物繊維が非常に豊富であることが特徴です。料理やデザートでとろみをつけたりするときに使われますが、日本ではあまりメジャーではありません。

実際に使う場合は、トクホの「えがおのコレステロール」などの健康食品を利用するのがオススメです。

サイリウムを手軽に摂取でき、国によりコレステロールを下げることの有効性が認められている商品です。

効果のメカニズム

サイリウムは食物繊維を非常に多く含む食材です。食物繊維は2つのメカニズムでコレステロールを低下させることが考えられています。

  1. 胆汁酸を吸着させ体外に排泄することで、排泄分の胆汁酸が体内で作られる(胆汁酸の原料は血液中のコレステロール)
  2. 食品中のコレステロールに吸着し、コレステロールが体内に吸収されにくくする

これらのメカニズムでコレステロールを下げるのに役に立っていると考えられています。また、余談ですが、サイリウムは便秘の改善としても医学的に証明されている栄養素でもあります。

サイリウムに関する医学研究

サイリウムは軽度~中等度の高コレステロール血症に有効であるということが複数の信頼性の高い研究1)2)3)(複数のメタアナリシス)により報告されています。

研究により効果に差はあるものの、10~12gのサイリウムを7週間以上摂取することで、総コレステロールが4%、LDL-コレステロールが7%低下したことが報告されています。

1-2.大麦

大麦

大麦も食物繊維が非常に豊富な食品です。豊富なコレステロールがコレステロールを下げるのに関係していると考えられています。

食物繊維がコレステロールを下げるメカニズムについてはサイリウムの項で解説していますので、そちらを参考にしてください。

 

大麦を使った料理

大麦は麦飯などで摂取すると続けやすいです。その他にもスープやスムージー、大麦パンなどで食べることができます。

詳しいレシピはcookpadなどを参考にすると良いでしょう。

大麦に関する医学研究

大麦や大麦から抽出したβ-グルカンを摂取することで、総コレステロール、LDLコレステロールを低下させることが非常に信頼性の高い研究4)によりわかっています。

研究では、RCT11報について検討したメタ分析を行い、大麦は総コレステロール11.6mg/dl、LDLコレステロール10.4mg/dl減らすということが明らかになっています。

1-3.オーツ麦(エンバク)

オーツ麦

オート麦はイネの仲間の穀物で、非常に食物繊維が豊富であることが知られています。

日本ではあまりなじみがない食物ですが、オートミールのようなシリアルや、それをもとにグラノーラやミューズリーなどで利用されます。オートミールはAmazonなどで入手できます。

 

オーツ麦に関する医学研究

オーツ麦は総コレステロール値とLDLコレステロール値を下げることが、複数の信頼性の高い研究(RCT)でわかっています。

研究によると、オーツ麦の摂取により、高コレステロールの患者で総コレステロール12.8%、LDLコレステロール12.1%低下したということが報告5)されています。

1-4.植物ステロール

植物ステロール

植物ステロールは植物の細胞膜を構成している油のことです。コレステロールは動物の細胞膜を構成しているため、コレステロールの植物版と考えるのが理解しやすいでしょう。

植物ステロールを多く含む食品

植物性の油に非常に多く含まれ、特に米油で多いことが知られています。食品では、ごまやとうもろこし、ゴボウなどに多く含まれます。

効果のメカニズム

植物ステロールは腸管でのコレステロールの吸収を抑えると考えられています。

コレステロールは食物由来の油に溶けています。植物ステロールによって溶けていたコレステロールが沈殿となって不溶性になること(共沈)が知られています。沈殿となったコレステロールは体内に吸収されず排泄されます。

植物ステロールに関する研究

植物ステロールは、複数の非常に信頼性の高い研究(メタアナリシス)6)7)8)でLDLコレステロールを低下させることが報告されています。

研究によると、平均してLDLコレステロールを6~12%低下させることが報告されています。

1-5.それ以外で有効と考えられているもの

上記で挙げた4つの食品・栄養素以外にも有効と考えられるものはあります。そこで、科学的根拠のレベルに応じて改めて表にしました。

有効であるかどうかの判断は、国立健康・栄養研究所の安全性・有効性の判断基準と同様の考えに基づいて行っております。

一般に言われているものの、効果が医学的に証明されていないものについてはおまけでまとめてあります。効果が証明されていない代表的なものとしては、DHAやEPA、フェネグリークやタマネギなどがあります。
有効性食品・栄養素
おそらく効果あり
  • ナイアシン(医薬品のみ)
  • 大麦
  • オーツ麦(カラスムギ、オーツ)
  • サイリウム(オオバコ)
  • 植物ステロール(β-シトステロール)
効果の可能性が医学研究により指摘されている(確実とは言えない)
  • グアガム(食物繊維)
  • カルシウム
  • マグネシウム
  • 魚油
  • 緑茶
  • 大豆
  • オリーブオイル
  • ベニバナ
  • アボカド
  • ベニコウジ
  • グルコマンナン
  • キトサン
  • ペクチン
  • カシグルミ(セイヨウグルミ、ペルシャグルミ)
ナイアシンについて
ナイアシンはビタミンの一種で、コレステロールを下げるとして医薬品としても使われています。サプリメントなどでもナイアシンは多く含まれますが、サプリのナイアシン濃度では効果がないことが明らかになってます。コレステロールを下げるためにナイアシンのサプリ等を利用するのは、やめておくのが良いでしょう。

2.コレステロールを下げるために必要なこと

コレステロールを下げるためには、生活習慣の改善が必要不可欠ですが、改善すべき生活習慣は食生活だけではありません。

日本動脈学会によると、食生活以外にも以下の5つの生活習慣に気を付ける必要があるとされています。

  • 禁煙し、受動喫煙を回避する
  • 過食を抑え、標準体重を維持する
  • 食塩を多く含む食品の摂取を控える(6g/日未満)
  • アルコールの過剰摂取を控える(25g/日以下)
  • 有酸素運動を毎日30分以上行う

食生活を変えるついでに、その他の生活習慣も実践してみることをおすすめします

3.まとめ

これまでコレステロールを低下させる食品について、医学的な観点から解説してきました。

有効性が考えられている栄養素は19種類ありますが、その中でも信頼性の高い4つの食品・栄養素(サイリウム、大麦、オーツ麦、植物ステロール)を優先的に生活に取り入れていくことをおすすめします。

そうすることで、効果的にコレステロール値を下げることができるのではないかと思います。

ぜひ、この記事を健康のために活用していただきたく思います。

おまけ.一般に知られているものの科学的な根拠が不十分or効果がないことがわかっている栄養素

怪しげな情報や食品に騙されないために、一般に知られているものの効果について科学的に証明されていないものをまとめました。

もし、記載がないものがあればお問い合わせよりご連絡いただければ、調査してみます。お気軽にご連絡ください。

 有効性 食品・栄養素
効果なし
  • アマニ油
  • イヌリン
  • レッドクローバー
  • レシチン
  • グッグル(ガムググル)
  • アカシア(アラビアガム)
科学的な根拠なし
  • DHA・EPA
  • フェネグリーク
  • カテキン
  • イソフラボン
  • 桂皮、シナモン
  • チョウセンアザミ
  • ニンニク
  • ブドウ
  • ザクロ
  • ビタミンE
  • ビタミンD
  • 葉酸
  • レスベラトロール
  • コーヒー
  • コエンザイムQ10
  • サトウダイコン
  • クルクミン
  • ビタミンB6
  • ショウガ
  • ヤマモモ
  • アロエベラ
  • ハチミツ
  • ハイビスカス
  • ブルーベリー
  • アスタキサンチン
  • ローズヒップ
  • イヌリン
  • ルテイン
  • α-リポ酸
  • オクタコサノール
  • ブロッコリー
  • サジー
  • レシチン
  • ビタミンC
  • 乳酸菌
  • β-カロテン
  • ナットウキナーゼ
  • 朝鮮ニンジン
  • ビール酵母
  • タウリン
  • クコ
  • ケルセチン
  • 海藻
  • 亜鉛
  • フラクトオリゴ糖
  • カルニチン
  • クリルオイル
  • スピルリナ
  • ガルシニア
  • ラクトトリペプチド
  • クロム
  • ミドリムシ(ユーグレナ)
  • ケフィア
  • タマネギ
  • ヤーコン
  • リコピン
  • アントシアニン
  • DHEA
  • サラシア
  • シイタケ
  • ユッカ
  • カシューナッツ
  • インゲン豆抽出物
  • アマチャヅル
  • ピクノジェノール(フラバンジェノール )
  • カジメ フコイダン
  • クワ
  • プーアル茶
  • γ-リノレン酸
  • キチン
  • ヒマワリ油(サンフラワーオイル)
  • リノール酸
  • ごま
  • ビタミンB2
  • バナジウム
  • カラギーナン
  • ヘスペリチン
  • クロレラ
  • クロロフィル
  • 中鎖脂肪酸
  • ラフマ
  • ハタケシメジ
  • シルクプロテイン
  • アルファルファ
  • リン脂質結合大豆ペプチド

参考文献・サイト

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