育毛サプリに頼る前に!手軽にできる科学的な3つの育毛方法

育毛 サプリ
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手軽に髪の毛を増やすためにサプリを飲むかどうか迷っている方は方は多いでしょう。

そこで、育毛に効果的な栄養素はないのか、私たち医大生で専門書と多くの医学研究を調べました。

その結果、育毛サプリに多く含まれる成分は、どれも育毛に対して根拠がないということが明らかになりました。同時に、科学的根拠があり、皮膚科の医師にとっては常識であるような育毛方法も存在します。

私の意見としては、育毛に効果的とされているサプリメントよりも、科学的根拠がしっかりしている方法を用いるべきだと思います。

この記事では以下の2つについて解説していきます。

  • 育毛サプリメントに含まれる成分の科学的根拠
  • 科学的根拠のある育毛法・生活の仕方

特に、科学的な根拠のある育毛法や生活の仕方は、今日から生活に取り入れることができるものばかりです。ぜひ記事を読んで髪の毛の悩みを解決しましょう。

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1.育毛サプリに含まれる5つの成分とその科学的根拠

多くの育毛サプリに含まれる成分に関して、科学的根拠を徹底的に調べ上げました。

その結果、育毛サプリに含まれる成分はどれも、育毛に効果的という科学的な根拠はありませんでした。

調査した成分と調査文献

以下の5つについて医学論文等を調べました。

  • ノコギリヤシ
  • 亜鉛
  • イソフラボン(ヒオウギエキス)
  • L-アルギニン
  • コエンザイムQ10

これらについて、世界中の医学論文が検索できるサイト(pubmed)で100以上の医学研究、アメリカで最も信頼されている栄養データベース(natural medicines database)の情報を検討しましたが、信頼できる科学的な根拠は見当たりませんでした。

育毛するならサプリメントよりも科学的根拠のある方法で

血流を良くする、脱毛の原因であるジヒドロステロンの発生を防ぐとして、様々なサプリメントが販売されています。

しかし、育毛に効果的という根拠は全くありません。育毛サプリを使う前にそのことをしっかり認識しておくのが良いでしょう。

私の意見としては、せっかく科学的根拠のある育毛方法が存在するのだから、そちらをまず行うべきだと思います。

ここからは、科学的な育毛方法について詳しく解説していきます。

2.確実に髪の毛を増やすための3つの具体的選択肢

では実際に、どのようにしたら育毛できるのかが最も気になることなのではないでしょうか。

科学的に根拠がある方法は、3つあります。自分のライフスタイルに合わせて、どれを選ぶか決めるのが良いでしょう。

育毛方法 選び方

それぞれの方法のメリット・デメリット

それぞれの育毛方法にはメリットもありますがデメリットもあります。それぞれについて詳しく説明する前に、メリットとデメリットを簡単に知っておきましょう。

そうすることで、より自分に合った育毛法を選びやすくなります。

方法メリットデメリット
育毛剤
  • ドラッグストアで簡単に買える
  • 多くの人で効果があったという
    科学的な根拠がある
  • 効果が出るまで時間がかかる
フィナステリド(内服薬)
  • 飲むだけでよいという手軽さ
  • 医師がしっかり管理してくれる 
  • 病院に行って処方してもらう必要がある
  • 効果が出るまで時間がかかる
  • 女性は利用できない
自然植毛
  •  始めた最初のころから効果が出やすい
  • 高い
  • 通院の手間が必要
  • 科学的根拠のレベルが低い 

 上の表を参考に自分に合った育毛方を見つけましょう。

ここからはそれぞれの方法に関して詳しく説明していきます。

3.科学的根拠のある育毛剤を使って育毛を!

育毛にもっともオススメなのは、ミノキシジルという成分を含む育毛剤です。

というのも、ミノキシジルを含む育毛剤に関してはRCTという優良な方法で行われた研究が8件見つかりました。非常に高い信頼性で効果があると考えられています。

また、日本皮膚科学会でも男性型脱毛症の治療の第1選択薬としてミノキシジルを含む育毛剤用いることを勧めています。

2%と3%のミノキシジルを使い約150人の男性患者を対象として、12 週までの 3 件のランダム化比較試験と、それに続く長期投与(24 カ月)の前後比較試験を検討した。その結果、2%と3% ミノキシジルは、プ ラセボと比較して1 年以上の長期投与において有意 に発毛を促進させた。また、重篤な副作用は生じなかった。

参考文献:日本皮膚科学会男性脱毛症ガイドライン

科学的根拠のレベルの高さを考えると、ミノキシジルを含む育毛剤が最も信頼できておすすめです。

3-1.育毛剤の具体的効果

ミノキシジルを含む育毛剤は毛包に直接作用し、小さくなった毛包を大きくすることで、軟毛化した毛を太い毛に成長させます。また、休止期にある毛包に作用し活性化させます。これにより抜け毛で毛がなくなった部分に髪が戻ってくるのです。

ただし、毛の生えるサイクルの都合上、育毛剤で効果が出るには時間がかかります。最短で4ヶ月、だいたい1年くらい続けないと効果が見られないひともいます。そのため、長いスパンで続けることを意識しましょう。

3-2.ミノキシジルを含む育毛剤と入手法

ミノキシジルを含む育毛剤は日本では発売されているものは「リアップ」シリーズのみです。ドラッグストアやオンラインで購入できます。

男性の場合は「リアップX5」を買おう。女性の場合は男性のものと濃度が異なり、1%ミノキシジルが推奨されているため「リアップリジェンヌ」という製品を買おう。

ドラッグストアの場合は、第1類医薬品であるため、薬剤師がいる店舗でしか購入できない点は注意です。買いにいく場合は薬剤師がいる店舗かどうか調べておきましょう。

3-3.危険性や副作用に関して

ミノキシジルは外用薬(飲み薬ではない用法)の場合、使用法を守れば副作用はないと考えられています。

有効性を示す8件のランダム化比較試験では重篤な副作用が報告されていません。また、副作用のみに注目して行った1件の実験において、1年間の使用で副作用は見られなかったという報告があります。

4.フィナステリドを使う育毛

フィナステリドという薬は飲むだけで育毛効果があるとされています。ただし、女性は使うべきではありません。効果がないという実験データが出ており、妊婦さんなどでは重篤な副作用が出ることがわかっているからです。

この薬の効果に関して、9件の優良なランダム化比較試験で効果があるとされており、脱毛状態の改善、毛髪数の増加、毛髪重量の増加が証明されています。

このため、男性に対して第一選択薬の一つとして医療現場で使われています。

実験方法:414人の日本人男性を2群に分けフィナステリド1mg/日を投与する群とプラセボ群に分けランダム化比較試験を行った。

実験結果:投与群における頭頂部の 写真評価において,軽度改善以上の効果が 58% にみら れ,不変以上の効果は 98% に認められた

参考論文Finasteride in the treatment of Japanese men with male pattern hair loss

医者の管理のもと、育毛を実践したい方はフィナステリドにお世話になるかと思います。

4-1.フィナステリドの具体的効果

フィナステリドは脱毛の原因であるDHTが生成されるメカニズムを阻害します。

男性脱毛症は時間とともに進行していくものであるため、進行を食い止めることは非常に重要です。臨床試験などの結果、脱毛を止めるだけでなく、髪が増える人が多く見られたことが上記の医学論文等で報告されています。

効果が出るまで約半年かかると言われており、時間はかかるものの科学的な根拠がはっきりしており、皮膚科で治療するのは一つの選択肢として有効でしょう。

4-2.フィナステリドの入手法

フィナステリドは皮膚科で処方してもらうしか手に入る方法がありません。近くの皮膚科などを受診し、内服薬として出してもらいましょう。

また、海外から個人輸入するのは絶対にやめましょう。これは医療用医薬品であるため、分量を間違えると副作用が出る可能性が高いです。医師の判断に従った方が賢明ではないでしょうか。

4-3.危険性や副作用に関して

やっかいな副作用として肝機能障害が起こる可能性があります。また、リビドー減退や勃起不全などもほんのわずかではあるが報告されています。

妊婦では男子胎児の生殖器官等の発育に影響を及ぼす恐れがあると言われています。そのため、異変が起きたら中止しなくてはなりません。必ず医師の判断に基づいて内服しましょう。

5.自然植毛で育毛をする場合

すぐに育毛の効果が出るものはないだろうかとお思いの方もいるでしょう。そのような方には自然植毛をおすすめします。

ただし、ミノキシジルやフィナステリドに比べエビデンスレベルは高いとは言えません。そのため、日本皮膚科学会でもミノキシジルやフェナステリドで改善しなかった場合の治療法として推奨しています。

また、人工植毛に関しては注意が必要です。過去に多くの副作用の報告があるからです。利益よりも危険性の方が上だという根拠はないが、数多くの副作用の報告があることは無視できません。そのため、できることであれば人工毛植毛は利用しないことをおすすめします。

5-1.自然植毛によって得られる効果

自然植毛は脱毛の影響を受けない後頭部などの髪を毛がなくなっている部分に植えるという外科手術です。いったんそこに毛が植えられるので即効性があります。

ただし、生え変わりも含め、全体的に髪の毛が増えたと実感するまでには、半年から1年程度の期間が必要となります。

メリット

  • 1度の手術でその場所に対しメンテナンス不要
  • 自分の毛を使うため拒絶反応が起きない
  • 生着率が高い

デメリット

  • 手術費が高い
  • 頭皮全体の髪の毛の数はかわらない
  • 傷跡が残る

5-2.自然植毛の科学的根拠

ミノキシジルやフィナステリドのように、ランダム化比較試験のような非常に優れた実験による報告はされていません。とはいうものの、全世界で年間225,800件が実施されており、82.5%以上の生着率が得られるという記載もあります。

そのため、日本皮膚科学会では上記2つの手法が効果がなかった場合、あるいは他に手がない場合の治療上として推奨しています。

よっぽど、今すぐに改善したいと言う差し迫った場合でない限り、ミノキシジルかフィナステリドをおすすめします。

5-3.人工毛植毛は危険!

自然植毛は髪の毛の総数はかわらないため、数を増やしたいとして人工毛植毛を選択する人も少なくありません。

ただし、人工毛植毛は多くの副作用が報告されており、アメリカではもう既に有害機器として禁止されています。そのため、私はおすすめしません。

人口植毛のデメリット

  • 拒絶反応
  • 頭皮環境の悪化

が挙げられる。

人工毛という異物を加えることで、アレルギーを起こす人も多いです。また、頭皮の深部まで人工毛を差し込むため頭皮環境が悪化し、様々な雑菌などが奥まで入ってしまいがちです。その結果、慢性的な皮膚炎や感染症を起こすこともあります。

6.育毛の効果を最大限発揮するための3つの生活習慣

育毛剤や治療を受けたとしても、髪の毛が減っていく状態が続くなら、結果的に効果がありません。

やはり、進行を食い止めるために、生活習慣を改善することも非常に重要です。ここでは食事・生活習慣・ヘアケアに関して解説します

6-1.食事

髪の毛の主成分であるタンパク質、成長を促すビタミン・ミネラルは必ず摂取しておきたい栄養素です。

タンパク質は肉や魚などを普段の食事で摂取していれば十分足ります。足りなくなりがちなのはミネラルである、鉄分と亜鉛です。特にダイエット中だったりすると不足しがちです。

鉄分や亜鉛を多く含む食事としてはレバー・カキ・シジミ・アサリなどです。普段から抜け毛か気になる人はこれらの食べ物を意識的に食べるようにしましょう。それで十分推奨量をクリアすることができます。

多量に摂取すれば効果があると信じ、サプリメント等を飲みまくるといった人もいます。しかし、これらについては厚生労働省の推奨量を守っていれば十分です。それどころか、過剰摂取は害になるのでやめた方が良いでしょう。

6-2.生活習慣

髪の毛にストレスを与える行動が原因で抜け毛になっているパターンは非常に多いです。髪にストレスとなる生活習慣は紫外線の浴び過ぎ・運動不足が挙げられます。

日中外で日の光を浴びすぎる仕事や活動をしている場合、帽子などをかぶることを勧めます。そうすることで紫外線を浴びる量が減り、頭皮環境は改善します。これは頭皮へのストレスを減らすことになり、抜け毛の帽子に効果的であると考えられています。

運動不足の解消といっても、毎日1時間走ったり、筋トレをしたりする必要があるわけではありません。毎日20分程度のウォーキングで十分です。特別に時間を確保するのは面倒だという方も多いでしょう。そういう方は日常生活の中に運動を組み込むのをおすすめします。

例えば、今までエスカレーターを使っていたところを階段で登る、通勤や買い物に向かう際に電車ではなく自転車を利用するなど、現実的な範囲で日常生活に運動を組み込みましょう。日常に運動を組み込むことで続きやすくなります。

6-3.ヘアケア

ヘアケアで髪の毛にストレスがかかることは、シャンプーのし過ぎあるいは不潔な状態のどちらかです。

不潔な状態は毎日シャンプーをすることで解消できます。

シャンプーのし過ぎの場合は

  • 1日シャンプーは1回に押さえる
  • 爪を立てない
  • 指の腹でマッサージをするように頭皮を洗う

の3つを注意するだけで改善できます。

7.まとめ

ここまで育毛にいいものを科学的根拠とともに解説してきました。

育毛サプリが人気を集めているが、現在のところ有効だと言う科学的根拠は見られていません。どうせお金と時間をかけるのであれば、既に科学的に有効であるというものを試してみることを強くおすすめします。

あなたが髪のなやみを解決し、自信を取り戻すことを楽しみにしています。

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