メラトニンの3つの効果|科学的根拠のある効果と活用法

メラトニン 効果
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メラトニンはどんな効果があるのか、正しく知りたいのではないでしょうか。 

しかし、残念なことにインターネット上にはメラトニンの効果については間違った情報も流れており、どれを信頼していいのかわからないですよね。

そこで、私たち医大生でメラトニンの効果について、医学論文と医学書を中心に調べ、簡潔にまとめました。

この記事を読んで、正しくメラトニンの効果について知り、生活に役立てていただけると幸いです。

注意
サプリメント等でメラトニンを利用しないようにしてください。人によっては、メラトニンを使うと病気の悪化などの副作用があります。(詳しくは3-2.メラトニンを摂取してはいけない人)必ず医師の処方の元利用するようにしましょう。
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1.メラトニンの効果

メラトニンは、脳の松果腺から分泌されるホルモンで、暗くなると多く分泌され、明るさにより抑制されます。体内時計をはじめ、身体機能の制御に関わっていると考えられています。

メラトニンを摂取した際の効果は主に3つあります。

  • 体内時計の乱れの改善
  • 一部の人で不眠症の改善
  • 一部の抗がん剤の効き目アップ

それぞれについて、詳しく説明していきます。

そのほかの効果についても調べましたが、効果がなかったか、科学的な根拠がありませんでした。詳しくは4.根拠がない、効果がないメラトニンの効果についてを見てください。

1-1.睡眠リズムの乱れの改善

朝方にならないと眠れないといった、睡眠リズムの乱れにメラトニンは効果があるということが研究により考えられています。

メラトニンが増えることで、体内リズムがリセットされ、正しい時間に起きることができると考えられています。

昼夜逆転(睡眠相後退症)に効果があったとする研究

実験対象者 43名の睡眠相後退症の患者
実験種別 Comparative Study
実験方法 5mgのメラトニンを2-9ヵ月摂取させた 
結果 MOS SF-36指標での測定の結果、すべてのスコアが改善した。
睡眠相後退症に対し、メラトニンは有効であると考えられる

参考論文Effects of melatonin on the quality of life in patients with delayed sleep phase syndrome.

睡眠リズムが乱れてしまった場合の対処法

睡眠リズムの乱れは、その長さに応じて対処が変わります。

期間 対処法
数日~1週間 放っておいても自然に解消します。
1か月~半年
  • 朝起きてすぐに陽の光を浴びる
  • 夜の強い光を避ける
  • 昼寝をするなら15時より前に20~30分以内

を徹底しましょう。詳しくはたった3つの行動で改善する!昼夜逆転の効果的な治し方で詳しく説明しています。

半年以上 必ず医師を受診するようにしましょう。メラトニンの薬と生活指導を受けることになります。その内容についてもたった3つの行動で改善する!昼夜逆転の効果的な治し方で解説しています

1-2.一部の人での不眠症の改善

メラトニンは分泌が少ない老人、児童で不眠症を改善する可能性が考えられています。

メラトニンの分泌量は老人になるにつれ減少していきます。それにより睡眠が浅くなると考えられています。

一般の人でも、効果の可能性が考えられています。ただし、客観的には不眠症を改善できていないという研究もあります。

児童・老人での不眠症に対する研究

実験対象者 睡眠障害のある少年男女21名
実験種別 ランダム化比較試験
実験方法 メラトニン1 mg/日を16:30~18:00に6日間摂取
結果 平日の睡眠開始時間、起床時間が早まり、睡眠時間の増加、夕方の眠気の減少が認められた

参考論文Melatonin treatment effects on adolescent students’ sleep timing and sleepiness in a placebo-controlled crossover study.

実験対象者 12人の不眠を訴える高齢者
実験種別 ランダム化比較試験
実験方法 2mg/日を3週間摂取させた
結果 睡眠開始が大幅に早くなり、睡眠効率が改善した。総睡眠時間は変化しなかった

参考論文Improvement of sleep quality in elderly people by controlled-release melatonin.

一般の人での不眠について

一般の人の不眠に対しては効果があるという研究も、効果がないという研究もあります。

今の現時点では、まだはっきりとはわかっていません。

1-3.一部の抗ガン薬の効き目アップ

固形ガンに対する治療に、メラトニンを併用するとガンの改善に関係すると考えられています。

メカニズムに関してははっきりとわかっておらず、実際の医療現場では使われることは稀です。副作用等との関連もありますので、もし利用する場合には自分の判断で利用することだけは絶対にやめましょう。

抗ガン剤の効き目をアップするという研究

研究種別 メタ分析
研究方法 2011年11月までを対象に5つのデータベースで検索できたRCT8つについてメタ分析を行った
結果 固形がんへの化学療法、放射線療法とメラトニン20 mg/日摂取の併用は、腫瘍寛解、1年生存率の増加、放射線化学療法による副作用の減少と関係があると考えられる

参考論文The efficacy and safety of melatonin in concurrent chemotherapy or radiotherapy for solid tumors.

2.メラトニンの正しい利用法

2-1.メラトニンの摂取量の目安

不眠症⇒0.3~5mgを就寝前に摂取する

時差ボケ⇒0.5mg~5mgの摂取を目的地到達日に開始し、2~5日間続けます。

固形ガン⇒補助療法として用いる場合、放射線療法、化学療法、あるいはインターロイキン2の投与とともに、10~50mgのメラトニンを摂取する複数の臨床試験が行われ、メラトニンの摂取はおおむね化学療法を開始する7日前から開始され、前コース終了時まで続けられています。

食事からの摂取はほとんど期待できない

食品 メラトニン(100gあたり)
ケール 0.0043mg
オート麦 0.000183mg
とうもろこし 0.000139mg
0.0001mg

2-2.メラトニンは医師の指導のもと処方してもらうのが良い

メラトニンを利用したい場合は、病院で処方してもらいましょう。決してサプリメント等で勝手に利用しないでください。

使ってしまうと病気が悪化する人などもおり、医師の判断のもと利用すべきです。

また、日本では医薬品としての販売のみです。サプリメント等では安全性が保障されていません。

不眠症・昼夜逆転の場合

不眠症や昼夜逆転でメラトニンを病院で処方してもらう場合、

  • メラトニン
  • メラトニン受容体作動薬

のいずれかをもらうことになるでしょう。

※医師はその人の症状に合わせて処方薬を決定します。処方する薬はメラトニン系ではない可能性もあります。

ガンの場合

ガンの場合は医師に相談なくメラトニンを摂取しようとしないでください。医師の治療方針によって投与するケースもありますが、ほとんどの場合は投与しないケースが多いです。というのも、メラトニンとガンの関係性に関してはわかっていないことも多いためです。効果よりも副作用を考えると使用しないケースの方が多いでしょう。

3.メラトニンの副作用と安全性

3-1.メラトニンの副作用

短期間の摂取はほとんどの大人では安全です。摂取後4~5時間は車の運転など事故を引き起こすことはしないように注意しましょう。

また、一部で副作用が出るケースがあります。代表的なものは

  • 頭痛
  • 短期的なうつ病
  • 日中の眠気
  • めまい
  • 胃痙攣
  • かんしゃく

などです。これらの副作用には注意しましょう。

3-2.メラトニンを摂取してはいけない人

以下の人ではメラトニンを摂取してはいけません。

小児 15歳以下ではメラトニンを使用しないようにしましょう。他のホルモンに影響を与え、発育を妨げる可能性があります。
うつ病 うつ病を悪化させる可能性が指摘されています。
妊婦・授乳婦 妊娠中の摂取は安全ではありません。排卵を妨げ、妊娠が困難になる可能性があります。授乳婦ではデータ不十分なため、安全性を考えると利用しない方が良いでしょう。
高血圧 血圧を上昇させるおそれがあります
糖尿病 血糖値を上昇させる可能性があります。
出血性の病気 ワルファリン等の抗血液凝固薬を服用している方で、出血のリスクが上がる可能性があります。

参考文献:Natural Medicine database

4.根拠がない、効果がないメラトニンの効果について

科学的根拠 効果
効果の可能性がある
  • 体内時計の乱れの改善
  • 一部の人で不眠症の改善
  • 一部の抗がん剤の効き目アップ
効果なし
  • うつ病
効果に関する研究なし
  • 若返り
  • 更年期症状
  • 抗酸化作用
  • 免疫力アップ
  • ボケ防止
  • がん抑制

4-1.うつ病には効果なし

うつ病に関しては効果がない可能性が指摘されています。それどころか悪化させる可能性がありますので、うつ病の場合には利用しないようにしましょう。

参考論文Effects of exogenous melatonin administration and withdrawal in five patients with rapid-cycling bipolar disorder.
Melatonin for the treatment of sleep disturbances in major depressive disorder.

4-2.根拠がないメラトニンの効果

以下のメラトニンの効果に関して医学論文を調べましたが、信頼できる医学研究が見当たりませんでした。

  • 若返り
  • 更年期症状
  • 抗酸化作用
  • 免疫力アップ
  • ボケ防止
  • がん抑制

これらの効果については期待しない方が良いでしょう。

5.まとめ

メラトニンは正しく利用すれば非常に有用な成分ですが、間違った利用法をすれば逆に体に害を及ぼす可能性があります。

正しく効果と活用法を知り、自分の健康に役立てましょう!

メラトニンの効果のポイント

  • メラトニンの効果は体内時計の乱れの改善、子供と老人で不眠症の改善、一部の抗がん剤の効き目アップ
  • それ以外の効果に関しては根拠なし。利用しない方が良い
  • メラトニンのサプリメント等を使っちゃダメ!病気の悪化の可能性も!

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