アミノ酸ダイエットは実際に痩せるのか、どういう風に実践すればよいのか知りたいという方は多いでしょう。
アミノ酸ダイエットとは、運動前にアミノ酸を摂取することで脂肪を分解する酵素の働きを活性化させ、運動で痩せやすくなることができるというダイエット法です。つまり、効果的にダイエットするためにアミノ酸の力を借りるというものです。
ただ、アミノ酸ダイエットは効果に関しては科学的な根拠があるものではありません。そのため、
- 過信してお金をかけすぎないようにする
- 副作用に気をつける
- 必ず運動を取り入れる
という3つの条件を守りつつ、実践していきましょう。
1.アミノ酸ダイエットの実践方法
この項目では具体的なアミノ酸ダイエットの実践法を解説していきます。
- 効率的にアミノ酸を摂取できる食材
- どのタイミングでアミノ酸を摂取するのが良いのか
- どれくらい有酸素運動をすれば良いのか
等をわかりやすく説明しました。
これらをしっかりと知り、効率良くアミノ酸をダイエットに取り入れましょう。
アミノ酸が活性化するとされているのは、リパーゼという酵素です。リパーゼは、血中の脂肪の濃度が低くなった場合に、脂肪を分解するというものです。つまり、運動によって血液中の脂肪が少なくなることで、ようやく効果を発揮します。そのため、運動をせずに摂取するだけではリパーゼは脂肪を分解しません。それどころかアミノ酸は糖と同じくらいのカロリーがあるので逆に脂肪を増やしてしまう結果となります。
1−1.効率的にアミノ酸を摂取できる食材
効率的にアミノ酸を摂取するにはアミノ酸スコアが高い食材を食べるのがおすすめです。アミノ酸スコアとは、食品中に必須アミノ酸がどれだけ含まれるかを表す指標です。100点の食品では全ての必須アミノ酸をバランスよく含んでいるということです。
というのも、アミノ酸は20種類存在し、調理法や季節、栽培法などにより変動が大きいです。そのため、個別の料理のアミノ酸を気にするよりも、アミノ酸スコアが高い食材を使って料理する方が現実的に良いと思います。
アミノ酸スコアの高い食材を紹介していきます。おすすめは大豆や鶏肉です。アミノ酸スコアが高く、脂質が少ないため、ダイエットに最適です。また、白米などの日常食べている食材でもアミノ酸は摂取できます。
アミノ酸スコア100点の食材
魚介類 | 肉類 | 卵・乳製品 |
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アミノ酸スコアの高いその他の食材
- アミノ酸スコア90点:ベーコン、脱脂粉乳、チーズ、枝豆、おから
- アミノ酸スコア80点:豆乳、大豆、うに、はまぐり、ブロッコリー
- アミノ酸スコア70点:油揚げ、ほたて、にら、とうもろこし
- アミノ酸スコア60点:白米、玄米、ビーフン、栗、落花生、あわび、カボチャ、アスパラガス
アミノ酸を多く摂取するための具体的な料理
アミノ酸ダイエットでは
- ご飯
- 納豆
- 焼き魚
- 豆腐入り味噌汁
といったような和食の定番が最適です。
アミノ酸が多く含まれる魚や大豆を含む上に、カロリーが低い。特にダイエットを考えている場合は、ご飯を普段の半分くらいにしておくと良いでしょう。
サプリメントや健康飲料を利用する場合の注意点
サプリメントや健康飲料を利用するのも良いでしょう。アミノ酸を手軽に摂取することができます。しかし、十分に食事を食べている場合は逆効果になります。
というのも、普通の食事を摂取していれば必須アミノ酸が不足することはまずありえません。それどころか、普通の食事を食べているのにサプリメント等でもアミノ酸を補給した場合、逆にカロリーの取りすぎで太ってしまう結果になります。アミノ酸のカロリーは糖分と糖分と同じカロリーがあります。そのため、サプリや健康飲料に頼る場合はダイエットのために極端に食事を減らしているとき限定にしておくのが良いでしょう。
1−2.摂取するべきタイミング
アミノ酸ダイエットには運動の30分前が良いと言われています。しかし、それが良いとする明確な根拠は見当たりませんでした。
私の意見としては、摂取するタイミングは気にする必要がないと思います。というのも、アミノ酸をはじめとするタンパク質は、吸収されるまでに2時間〜8時間程度かかります。吸収までの時間は食材によりまちまちです。そのことを考えると、時間を気にするよりも、しっかりと運動をすることを意識したほうが良いでしょう。
1−3.有酸素運動の取り入れ方
運動で血液中の脂肪が減ることにより、脂肪を分解する酵素が活動し脂肪を分解します。その酵素の働きを活性化させるのがアミノ酸ダイエットの方法です。
酵素が働くためにはジョギングや水泳といった有酸素運動を30分以上続ける必要があります。そのくらいの時間から脂肪が燃焼されていきます。そのため、有酸素運動を1時間くらい(最低でも30分)続けるようにしましょう。それを週3日取り入れるだけでもだいぶダイエット効果が現れるでしょう。
おすすめの有酸素運動は水泳です。ランニング1時間350-400kcalの消費であるのに対し、水泳の場合は1時間クロールで1000-1300kcalの消費です。もし、近くにジムなどがあるならば、水泳をすることでより効率的にダイエットできるのではないかと思います。
1−4.筋トレとBCAA
ダイエットの際には筋トレもするほうが良いです。というのも、痩せても筋力が減ってしまっていてはリバウンドしてしまうからです。私はダイエットは体型維持も含めてダイエットであると思っております。
そして、筋トレにはBCAAというアミノ酸が有効である可能性が、科学的な実験により指摘されています。筋肉を増やすわけではないが、筋肉の分解を抑える作用があることが指摘されています。
77mg/kgのBCAAを摂取させた群とプラセボ群に分け、60分スクワットをさせた。
運動前の筋肉中のBCAA濃度は非摂取群では339±15mM、摂取群では822±86mMであった。運動後筋肉中のBCAA濃度は非摂取群では68±93mM、摂取群では816±198mMとなった。
筋肉中のBCAAの遊離は有意に摂取群で少ない結果となった。そのため、BCAAを摂取している群の方が筋組織中のタンパク質分解を抑制し、筋消耗を抑えることができると結論づけることができる。
BCAAは筋肉を大きくする訳ではありません。しかし、筋トレ中に筋肉が分解されてしまうのを防ぐというのは非常に有用な効果が期待できます。
2.アミノ酸ダイエットのデメリット
アミノ酸ダイエットのデメリットは2つです。
- 過剰摂取や薬との相互作用による危険性
- アミノ酸を健康食品等で摂取するならお金がかかる
これらのデメリットを解説していきます。正しく理解して安全にアミノ酸ダイエットを取り入れましょう。
2-1.過剰摂取や薬との相互作用による危険性
過剰摂取による危険性
アミノ酸は副作用等のほとんどない安全な成分です。しかし、過剰に摂取した場合は腎臓や肝臓に大きな負担がかかります。そのため、特にサプリメント等を利用する場合は、用量用法を必ず守りましょう。
アミノ酸は構成分子にN(窒素)を含みます。アミノ酸から放出された窒素は体にとって毒になり得る成分です。これらは肝臓で代謝され安全な物質へとかわり、腎臓で排泄されます。アミノ酸を過剰に摂取することは、代謝に関わる肝臓や排泄に関わる腎臓に大きな負担をかけるのです。
そのことがいきなり何かの病気を引き起こす訳ではありません。ただ、大きな負担がかかることで将来的に肝硬変などの病気につながる可能性が出てきます。
過剰摂取にならないよう、適切な量を摂取するようにしましょう。
薬との相互作用
アミノ酸の中でも特にアルギニンは医薬品との相互作用により血圧が下がりすぎたりする危険性があります。
- 心循環改善薬
- 高血圧治療薬
これらの薬を利用している場合は、アルギニンを利用するのをやめておきましょう。
これらと併用することで、めまいや立ちくらみなどを多く引き起こすことが考えられています。
めまいなど大したことないとお思いかもしれませんが、それが原因で大きなけがに結びつくこともあります。これらの薬を利用している場合はアミノ酸(特にアルギニン)の摂取はやめておくことを強く勧めます。
2-2.アミノ酸を食事以外で摂取する場合お金がかかる
サプリメントや健康飲料などでアミノ酸を摂取する場合、そこそこお金がかかります。再度申し上げますが、アミノ酸のダイエット効果は今の現状では効果があるとはっきりわかっていません。そのようなことに対してお金を払うというのは一つのデメリットであるように思います。
健康飲料などを利用して、アミノ酸ダイエットを実践する場合は、効果に対する科学的根拠がないことをしっかりと認識しておいてほしくおもいます。そうすることで、不要な人にとっては無駄な出費をしなくて済むようになります。
3.アミノ酸ダイエットには科学的な根拠はない
アミノ酸がダイエットに効果的という科学的な根拠は見当たりませんでした。
ダイエットに効果的なアミノ酸としてリジン、プロリン、アルギニン、アラニンが挙げられます。これらについて私をはじめとする医大生で、100以上の医学論文を調べました。しかし、残念なことにダイエットに効果的という論文が見当たりませんでした。
このため、効果があると確実には言えません。ただ、アミノ酸を利用することにデメリットは少ないです。そのため、
- 過信してお金をかけすぎないようにする
- 副作用に気をつける
- 必ず運動を取り入れる
という3つの条件を守るならアミノ酸ダイエットを試してみるのもありだと私は思います。
逆に、これらの条件を守らない場合はアミノ酸ダイエットをしないほうがいいように思います。
4.まとめ
アミノ酸ダイエットは効果があると実証されたものではありません。そのため、
- 根拠がないということをしっかり知り、多くのお金を投じない
- 過剰摂取や薬品との相互作用に気をつける
- 必ず運動を取り入れる
の3つの条件をしっかりと守って実践してほしくおもいます。
この記事を読むことがあなたが痩せるきっかけになれば幸いです。
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