アルギニンは精力にいいと言われていますが、実際のところ本当に効果があるのか気になるという方は多いのではないでしょうか。
様々な情報が飛び交っており、どれを信頼していいのかわからない現状にあります。中には効果があるように見せつけ売ろうとする商品さえあります。
実は、科学的な根拠を調べてみると、アルギニンの精力に関する効果には根拠が全くないものが数多く含まれます。
当記事では信頼出来る科学的根拠をもとにアルギニンと精力の関係について調べ
- 実際にアルギニンは精力に効果があるのか
- あなたは効果がある範囲に含まれるのか
- バイアグラ等との比較
- アルギニンを多く含む食事や副作用などの活用法
といったことに関して詳しく解説しました。
この記事を読むことで、無駄なものにお金を使うことなく、正しく精力に関する悩みを解決できるようになるでしょう。ぜひあなたの悩みを解決するために活用して欲しく思います。
目次
1.アルギニンは一部の勃起不全に対して効果がある可能性がある
7.他の成分でED解決に効果があるといわれている他の成分について
1.アルギニンは一部の勃起不全に対して効果がある可能性がある
アルギニンは精力にいいと言われています。しかし、科学根拠を調べてみると精力に関しては一部しか効果が科学的にみられていません。
勃起不全の一部には効果がある可能性が示されていますが、それ以外の効果に関しては信頼出来る科学的な根拠がありません。私の意見としては科学的に示されていない効果に対してお金を使うのはもったいなく思います。
アルギニンを利用する場合には自分がどのEDなのかを見分けることが重要です。そのことに関して次の項目の「2.勃起不全の種類と見分け方」で解説しています。
1-1.勃起不全に対する科学的根拠
機能性勃起不全について
アルギニンは機能性勃起不全に効果がある可能性が実験によりわかっています。とはいうものの、効果がなかったという実験もあり、まだ、確実に効果があるとは言えない状態であることには注意して欲しく思います。
機能性勃起不全に効果があったとする実験
EDの患者50人をプラセボ群とL-アルギニン摂取群にわけ、L-アルギニン摂取群では5g/日を6週間投与した。
その結果、投与群29人のうち9人(31%)で勃起不全の改善が見られた。(プラセボ群では11%)また、これ以下の濃度では効果がなかった。
効果がなかったとする報告
複数のランダム化比較試験でL-アルギニン投与群と何もしなかった群の間で差が見られなかったという報告がされている。
引用文献:クリニカル・エビデンス(英国医師会出版)
混合型勃起不全について
混合型の勃起不全に関して、アルギニンを摂取しなかった場合と結果は変わらなかったという論文のみ見つかりました。
32人の混合型勃起不全の患者において、500mg×3/日のL-アルギニンを摂取させた。
その結果、実験群では20%の患者が改善、アルギニン非摂取群では17%の患者が改善した。これにより、アルギニン摂取群と非摂取群で有意な差はみられなかった。
このことより、アルギニンの500mg×3/日摂取は混合型の勃起不全に対し、非摂取の場合よりすぐれているというわけではない。
その他の勃起不全について
薬剤性の勃起不全、器質性の勃起不全に関しては効果があることを示した論文は存在しませんでした。
私の意見としては、これらの勃起不全に関してはアルギニンは効果がない可能性が高いように思います。というのも、薬剤性の勃起不全、器質性の勃起不全はアルギニンにより血流を良くしたところで解決しない可能性が高いからです。
薬剤性の勃起不全の場合、他の病気により血圧を下げる薬などを使っていることが原因です。病気の治療のために血圧を下げているのに、アルギニンで血流促進をしてしまっては治療効果が薄れます。本末転倒ではないでしょうか。
器質性の勃起不全の場合、他の病気や外傷などによって血流が滞っている状態です。この場合に関してはアルギニンで血流を良くしても、腫瘍などで血管が圧迫されていたり、原因によっては全く効果を示さないでしょう。この場合は原因の根本治療の方がはるかに重要です。
1-2.陰茎増大や精子の増加、運動性アップに関しては科学的根拠がない
精力アップに関してアルギニンは陰茎増大や精子の増加、運動性アップに関して宣伝されている場合もありますが、これらの効果に関しては科学的な根拠は全く見当たりませんでした。
私の意見としてはこれらの効果を目的にアルギニンを利用しない方が良いように思います。
2.勃起不全の4つの種類と改善の指針
アルギニンの効果が示されているのは機能性勃起不全だけです。そのため、自分がどの勃起不全に当たるのかを見分けることが非常に重要です。以下の表を参考に自分のEDの種類を見分けましょう。
2-1.機能性勃起不全が考えられる場合の解決法
機能性勃起不全ではED治療薬やアルギニンが効く可能性が有ります。ただし、これらの効果はあくまで一過性のものです。EDの原因に対して根本的な解決も一緒に行うべきだということを押さえておいてください。
具体的にはED治療薬などを利用し一時的にEDに対応しながら、パートナーと共に心理的な原因の解決を目指していくのが良いでしょう。そのためにも、パートナーに現在の状況を話し、正しく知識を持ってもらいましょう。そして医師などの専門家と協力してEDの改善を目指しましょう。
実際にアルギニンを使うべきかED治療薬を使うべきかに関しては「3.アルギニンを使うべきか、バイアグラ等を使うべきか」で解説しています。
2-2.機能性勃起不全以外のEDの場合の解決法
ED治療のためには、病気の治療やEDの原因となるリスクファクターを取り除くことなどが必要になります。これらに関して詳しく「6.根本的なED解決へのアプローチ」で説明しています。
3.アルギニンを使うべきか、バイアグラ等を使うべきか
基本的には病院に行きバイアグラ等を処方してもらうことを勧めます。
というのも、アルギニンは効果の可能性がまだあやふやであるのに対し、バイアグラ等は数万人での実験で効果があることが示されているからです。無駄に様々なものを試して時間とお金を浪費するよりも、効果の証明されているものをきちっと使う方が良いのではないでしょうか。
とはいうものの、アルギニンの方が安く、病院に行かずに手に入れることができるため、そちらを試したいという方もいるでしょう。そんな方はアルギニンではなくバイアグラを使うべき場合を知るとより正しくアルギニンと向き合えるようになるでしょう。
3-1.バイアグラを使うべき場合
特にアルギニンではなくバイアグラを使うべき場合が2つあります。
- 中等症、重症のEDの場合
- 心筋梗塞になったことがある場合
これらのケースの場合は病院でアルギニンを試すよりも病院でしっかりと診察を受けるのが良いでしょう。
3-2.EDの重症度を判定する
EDの重症度を判定しましょう。IIEF5(国際勃起機能スコア)による以下の表に答えることでEDの重症度がわかります。
- 22~25点:正常
- 21~17点:軽症
- 16~12点:軽症〜中等症
- 11~8点:中等症
- 7~5点:重症
この判定で中等度以上の場合はアルギニンを使わずに、病院に行くことを強く勧めます。
軽度の場合はアルギニンを検討するのも一つの手ではないかと思います。ただし、効果についてはバイアグラ等のほうが科学的に根拠が示されているということは押さえておきましょう。
4.アルギニンの活用法
アルギニンを摂取してEDの解決を目指す場合、どれくらい摂取するか、多く含む食材、副作用などといった活用法を知っておくとより効率的にアルギニンと向き合えるようになります。
アルギニンをED治療目的で利用する場合は活用法についてしっかり知り、実際の生活に生かしましょう。
4-1どのくらいアルギニンを摂取したら良いのか
アルギニンとEDに関する研究によると5g/日を6週間続けたものでは効果が見られたが、それ以下の濃度では効果がなかったことが示されています。
このため、アルギニンを摂取してEDを解決しようとする場合は5g/日以上摂取することをおすすめします。
EDの患者50人をプラセボ群とL-アルギニン摂取群にわけ、L-アルギニン摂取群では5g/日を6週間投与した。
その結果、投与群29人のうち9人(31%)で勃起不全の改善が見られた。(プラセボ群では11%)また、これ以下の濃度では効果がなかった。
4-2.アルギニンを多く含む食事
アルギニンを多く含む食材として鶏肉や牛肉、大豆やナッツなどがあげられます。普段から意識して食べやすいものでアルギニンが多く含まれる食品として
- カツオ節(4300mg)
- 高野豆腐(4100mg)
- 鶏むね肉(1500mg)
などがあります。
5g/日摂取するために以下の表を参考にしていただけると幸いです。
4-3.アルギニンサプリを選ぶなら
EDに対してアルギニンサプリを利用しようとする場合、効果の可能性のありそうなものを選びたいですよね。
EDに対しては5g/日以下では効果がないことが上の実験で示されています。そのため5g/日摂取できるサプリメントを選ぶのが良いのではないかと思います。
一通り調べた結果、私の意見ではドクターズチョイス L-アルギニン5000が一番良いのではないかと思います。
4-4.アルギニンの副作用
アルギニンはほとんど副作用のない成分として知られています。しかし、過剰摂取の場合には
- 腹痛
- 下痢
- 痛風
などが考えられています。これらの症状があらわれた場合は一度服用をやめましょう。
5.基本的にEDの解決にはバイアグラの方が良い!
基本的にEDの解決にはアルギニンよりバイアグラの方が良いです。というのも、バイアグラ等ED治療薬は約10000人ほどで効果性や安全性について実験されている非常に信頼性の高い薬だからです。
この項目では
- バイアグラ等の科学的根拠
- バイアグラ等とアルギニンの比較
- バイアグラの活用法
をお伝えしようと思います。
これらをしっかりと理解し、EDの解決に役立てて欲しく思います。
5-1.バイアグラなどED治療薬の科学的根拠
バイアグラは科学的に非常に信頼性が高い薬で、世界中で2000万人以上に処方されています。
バイアグラは11のランダム化比較試験において3000人の実験を行い、12週間摂取させた結果改善したというものは76%、重症EDでの患者群でも65%の改善が見られた。
レビトラでは9つのランダム化比較試験で4286人を対象にした試験で、12週間の摂取の結果、69%が改善したという報告がある。2年間の長期試験でも479人において90-92%でEDが改善した。
シアリスでは5つのランダム化比較試験で1112人の患者において41~81%で改善が見られた。
(参考文献:日本性機能学会 ED診療ガイドライン)
これらの実験により、EDの解決に非常に大きな役割を果たすことがわかっています。EDの解消を目的とするなら、アルギニンよりもバイアグラなどを利用する方が良いのではないでしょうか。
5-2.ED治療薬の効果的な活用法
ED治療薬をより効果的に活用するために
- バイアグラ・レビトラ・シアリスの特徴と使い分け
- 正しい使い方
- 副作用に対する理解
をしっかりと知っておくと良いでしょう。それらについてこの項目で解説していきます。
5-2-1.バイアグラ・レビトラ・シアリスの特徴と使い分け
ED治療薬としてバイアグラ・レビトラ・シアリスという3剤があります。これらは効果時間や効果の程度に違いがあります。自分の目的に合ったものを医師に伝え処方してもらうためにこれらの特徴を理解しましょう。
5-2-2.効果がない人の約40%が使い方を間違えている
バイアグラが効果がなかった患者236人で、しっかりした使い方を教育した結果98人(42%)が有効になったという報告がされています。
よくあるまちがえた使い方として
- 食事の後の摂取
- 数回しか試していない(最低でも4回ほどの内服が必要であるケースもある)
- 性的刺激なし
- 飲むタイミングの間違い
- 用量を自分の判断で半分以下にしてしまう。
等が挙げられます。
これからバイアグラ等を利用しようと考えている方はこれら間違った使い方をしないように気をつけましょう。
また、使ってみて効果がなかったという方は自分がこれらに当てはまらないかぜひ確認してほしく思います。効果がなかった人でも正しく使えば約40%で効果があらわれます。
5-2-3.ED治療薬の副作用
バイアグラをはじめとするED治療薬の3剤は副作用がほとんどない安全な薬として認識されています。
一部の人で、軽度の頭痛、消化不良、顔が赤くなる、視覚異常などが起こることがあります。あくまで一過性であるのですぐに解決しますが、これが薬を服用してからずっと続くようでしたら医師に相談するのが良いでしょう。
また、ED治療薬を利用してはいけない人がいます。
- 狭心症などに用いられる硝酸剤を飲んでいる
- タムスロシンやテラゾシンといった降圧剤を使用している
これらに該当する方はこのことを医師に必ず伝えるようにしましょう。伝えずにバイアグラ等を服用すると命に関わる副作用が生じる可能性があります。
さらに詳しく薬剤名まで見たい方はED治療薬併用禁忌一覧を参照してください。
5-3.バイアグラ等とアルギニンの比較
ここまで、バイアグラの活用法やアルギニンの活用法などについて解説してきました。ここで改めて簡潔に分かりやすく判断できるように表にしてみたのでぜひ参考にして欲しく思います。
6.根本的なED解決へのアプローチ
器質性、混合性、薬剤性勃起不全の場合、根本治療を行うことがED解決に必要不可欠です。
根本的な解決は大きく3つに分けられます。
- EDの原因となっている病気の治療
- 生活習慣の改善
- EDの原因となる薬剤の使用をやめる
これらについて簡潔に解説していきます。この項目を読むことでより効率的にEDを解決できるのではないかと思います。
6-1.EDの原因となっている病気の治療
EDの原因となっている病態として
- 高血圧
- 糖尿病
- 前立腺肥大症
- 前立腺癌
- 下部尿路症状
などが挙げられます。
これらの病気の場合はEDの治療の前に、病気の治療を行った方が良いでしょう。というのも、アルギニンやバイアグラを使ったからといってこれらの病気の場合は効果が薄かったり効果がない可能性が高いからです。まず、病気の治療を行いつつ、医師との相談の上で薬を処方してもらうことを強く勧めます。
6-2.生活習慣の改善
肥満や運動不足、喫煙はEDの原因となります。
これらの生活習慣を改善するだけでEDが治るというケースもあります。あなたのEDの原因が必ずしも生活習慣によるものだとは限りませんが、自分でできることですのでぜひ改善を試してみてはいかがでしょうか。
生活習慣を改善することで、EDの悩みとはおさらばして満足のいく性生活を得ることができるかもしれません。
6-3.EDの原因となる薬剤の使用をやめる
原因となる薬剤の多くは降圧剤や精神疾患の薬です。そのため、基本的にEDの治療よりもはるかに重要な病気の治療のための薬であることが多いです。
EDの原因となるからといって勝手に薬を中止するということは絶対にやめてください。命を脅かす危険があります。必ず担当の医師と相談の上、薬を変更するか他の方法を模索するなどしてください。
以下にEDの原因となる可能性の高い薬を列挙します。
- ヒドロクロロチアジド
- スピロノラクトン
- メチルドパ
- クロニチン
- レセルピン
- ラベタロール
- アテノロール
- プロプラノロール
- イミプラミン
- プロメタジン
- カルバマゼピン
- フェノバルビタール
- シメチジン
- スルピリド
- 酢酸クロルマジノン
- リュープロレリン
- クロフィプラート
これらの薬はEDを引き起こす可能性がある薬です。しかし、必ず自分の判断で止めるということはしないでください。
7.ED解決に効果があるといわれている他の成分について
その他にEDを解決すると一般に言われている16の成分、食品について科学的根拠を調べました。しかし、はっきりとした科学的根拠があるものはなく、それらを使うくらいならアルギニンを使う、バイアグラを使う方がはるかに良いのではないかと私は思います。
科学論文を調べた結果、EDに効果があるとする科学的な論文が見つかったのはDHEAのみでした。しかし、そのDHEAの実験も非常にデータ数の少ない実験であり、論文内でもさらなる研究が必要であると書いてあります。(参考論文:Dehydroepiandrosterone in the treatment of erectile dysfunction)このことから考えるとDHEAがEDを改善するとは言えない現状にあります。
また、DHEA以外の成分に関しては信頼出来る医学的な研究が全く存在しませんでした。調べた成分は以下の通りです。
- シトルリン
- 亜鉛
- DHEA
- クラチャウダム
- ソフォン
- マカ
- スッポン
- ニンニク
- マムシ
- コブラ
- ウミヘビ
- 馬睾丸
- オットセイ
- トナカイ
- トンカットアリ
- ガラナ
8.まとめ
アルギニンは一部のEDに効果がある可能性が示されている成分です。バイアグラ等と比較した結果、アルギニンを試してみるという方もいるでしょう。ただし、アルギニンはバイアグラ等と比べると科学的根拠が不十分で、まだ効果があるのかないのかはっきりしない成分であるということを押さえておきましょう。
この記事を読んであなたがパートナーとの満足のいく性生活を取り戻すきっかけとなれば嬉しく思います。
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