BCAAの効果|筋トレやダイエットでの正しい活用法

BCAA効果
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BCAAは脂肪燃焼や筋トレに効果的だといわれています。しかし、本当に効果があるのかと疑問にお思いではないでしょうか。

実は、医学論文をもとに科学的根拠を調べてみると、BCAAの効果について一般に知られていることには2つの誤解があります。というのもBCAAは

  • 筋肉を大きくしたり、増強するものではない
  • 脂肪燃焼に効果的という根拠がない

ということです。

とはいうものの、BCAAは筋肉が分解されるのを抑えることができます。そのため筋トレやダイエットに生かすことができます。

改めてBCAAの効果と活用法を正しく理解しましょう。そうすることで、より適切に自分の生活に活かすことができるようになります。

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目次

1.BCAAの科学的根拠とその効果

2.BCAAの正しい摂取法と副作用

1.BCAAの科学的根拠とその効果

BCAAは運動中の筋肉の分解を抑えることができます。そのため筋トレやダイエットで利用するのが良いでしょう。しかし、筋肉を大きくしたり、脂肪を燃やすものではないことは必ず押さえておきましょう。

勘違いを正し、適切にBCAAを生活に取り入れることで、よりあなたの目標を達成しやすくなるでしょう。

1-1.BCAAは運動中の筋肉の消耗を抑える役割がある

BCAAは筋トレなどの最中に筋肉が分解されてしまうのを抑える役割があることが、科学的にわかっています。筋肉の分解(異化作用)は筋肉の成長をさまたげます。それを抑えることは筋トレをし、筋肉をつけようとする場合には大切なことです。

77mg/kgのBCAAを摂取させた群とプラセボ群に分け、60分スクワットをさせた。

運動前の筋肉中のBCAA濃度は非摂取群では339±15mM、摂取群では822±86mMであった。運動後筋肉中のBCAA濃度は非摂取群では68±93mM、摂取群では816±198mMとなった。

筋肉中のBCAAの遊離は有意に摂取群で少ない結果となった。そのため、BCAAを摂取している群の方が筋組織中のタンパク質分解を抑制し、筋消耗を抑えることができると結論づけることができる。

引用論文:Branched-chain amino acids augment ammonia metabolism while attenuating protein breakdown during exercise.

これらの実験の結果より、筋トレの際に筋肉の分解を抑える目的で、BCAAを利用するのが良いでしょう。

1-1-1.筋肉を大きくする訳ではない

BCAAは筋肉の分解を抑えることに効果はあるが、筋肉を大きくできるということには根拠がありません。世界中の論文を検索できるpubmedというサイトで調べてみたが、BCAAは筋肉を大きくできるという論文は見当たりませんでした。

「筋肉の分解を抑えること=筋肉を大きくすること」と思っている方も多いですが、この二つはまったく違います。筋肉をつけることは筋トレによるものです。BCAAをたくさん摂取しても筋肉が大きくなるわけではないことには注意しましょう。

筋肉をつけたいならば、BCAAに頼るのではなく、しっかりと正しい筋トレをすることが必要不可欠です。

1-1-2.筋トレのために必要なその他の栄養素

筋トレのためにはBCAAとともにグルタミンやタンパク質を摂ることが必要といわれています。たしかにタンパク質は筋肉の構成成分であり、筋肉を作る上で必要です。しかし、グルタミンは筋肉とは関わりがないことがわかっています。

タンパク質の摂取方法

タンパク質は筋肉を構成する成分の一部です。筋トレをする場合にはタンパク質は体重×(1.5~2.0)g摂取するのがよいでしょう。

また、タンパク質は多くの食材に含まれ、アスリートほどでもない限り食事からの摂取で十分です。過剰に摂取しても太ってしまうだけなので注意しましょう。

以下にタンパク質を多く含む食材を紹介するので参考にしてほしくおもいます。おすすめは鶏ささみです。脂肪分が少なく、タンパクを摂取することができます。

タンパク質を多く含む食材

食材タンパク質(g/100g)
しらす干し40.5
イワシ丸干し32.8
いくら32.6
牛肉(腱)28.3
焼きたらこ28.3
焼きアユ26.6
キャビア26.2
カツオ25.8
さんま(焼き)24.9
牛肉(ミノ)24.5
イカ焼き24.1
鶏ささみ23.0

グルタミンは筋肉をつくることと関係ない

グルタミンは成長ホルモンの分泌を促進することで筋肉を育てるといわれています。しかしながら医学論文を調べてみると、筋力アップに成長ホルモンは関係しない可能性が高いです。

16人の成人男性で成長ホルモンを12μg摂取する群とプラセボ群に分け、12週間同じ筋力トレーニングをさせた。

その結果、実験群とプラセボ群の間で筋肉の同化作用や機能の増強の点で有意に差がみられなかった。

引用論文:Effect of growth hormone and resistance exercise on muscle growth in young men

世間一般では効果があるといわれていますが、実験結果を考えると筋トレのためにグルタミンを特別に摂取する必要はないと思います。

1-2.BCAAが脂肪燃焼に効果的という科学的な根拠はない

BCAAは脂肪燃焼に効果があると言われているが、その根拠は見当たりませんでした。

世界中の医学論文を検索できるサイト(pubmed)やアメリカで最も科学的なデータベース(natural medicine database)等で調べたものの、脂肪燃焼に効果的だという科学的な実験は一つも存在しませんでした。

とはいうものの、ダイエットにBCAAは応用することができるのではないかと思います。というのも、ダイエット中の筋トレに取り入れることで、基礎代謝を落とすことなくダイエットすることができるからです。

そのため、ダイエットに応用することはできるが、筋トレをすることが必要だということを知っておきましょう。脂肪を燃焼できるという根拠はないため、飲むだけで痩せれると思わないようにしましょう。

2.BCAAの正しい摂取法や副作用

BCAAは運動中の筋肉の分解を抑えるという良い活用法があります。しかし、正しい摂取の仕方や副作用を知らないとその効果も弱まってしまいます。

摂取法や副作用について正しく理解することでBCAAをより効率よく利用できるようになります。ぜひしっかりと読み込んで生活に取り入れてほしくおもいます。

2-1.BCAAの摂取量について

2000mg以上のBCAAを運動の30分以上前に摂取するのがが望ましいと私は思います。

大塚製薬の研究によると、血中でのBCAAの濃度は30分後にピークを示し、2000mg以上の摂取で2時間後でも血中で高値を保つことがわかっています。

しかしBCAAの摂取量に関する研究は残念ながら質が高いとは言えません。そのため、あくまで参考値として現時点で効果的だと判断できるこの量を勧めます。

2-2.BCAAを多く含む食事

BCAAは食品に多く含まれています。特に多いのはカツオやマグロなどの魚介類です。また、米などの主食にも多く含まれています。

以下ではBCAAを多く含む食材について紹介します。

食品BCAA(mg)
玄米1膳1890
白米1膳1635
そば1人前2100
食パン4枚切り1枚1143
さんま1匹3492
かつおたたき6-8切れ4000
マグロ刺身8-10切れ4100
サーモン切り身1切れ3900
さば切り身1切れ3640
鶏むね肉100g4300
牛肉100g3200
豚肉100g3800
豚モモ肉100g3300
たまご1個1190
牛乳コップ1杯1360
チーズ1個1020
ヨーグルト100g770

効果的な調理方法

BCAAを摂取する上で厄介なのは、これらの食材は高カロリーのものも多い点です。太ってしまわないために

  • 油をできるだけ使わない調理方法を選択する
  • 薄めの味付けにする

の二つに気をつけると良いでしょう。

というのも、油を使わないことでカロリーを余分に摂取することを回避できるようになります。

また、濃いめの味付けでは主食が進みやすく多めにカロリーを摂取してしまいがちです。これを避けるために薄味の調理方法を勧めます。

2-3.BCAAの副作用

BCAAは実験によると6ヶ月間摂取しても副作用がみられていません。かなり安全な成分といえるでしょう。

ただし、副作用が起こる可能性のある2つのパターンが存在します。

  • 過剰に摂取してしまう
  • 薬との相互作用

という二つの場合です。

過剰摂取の危険性

どのような成分でも同じであるが、過剰に摂取してしまうと思わぬ悪影響を及ぼしてしまいます。BCAAを多く取る場合、腎臓や肝臓に負担をかけることになるのではないかと考えられています。

特にサプリメントや健康食品で摂取する場合は表示されている用量や使い方を必ず守るようにしましょう。

また、過剰に摂取しても筋肉に取り込まれず血中で酸化してしまいます。そのため、過剰に摂取する意味がありません。

飲み合わせにより副作用を引き起こす可能性のある薬

BCAAと同時に摂取するべきではない薬が2つあります。BCAAを摂取する場合には自分がそれらの薬を使っていないか確認しておきましょう。そうすることで自分の健康を守ることができるようになります。

  • レボドパ
  • 血糖値を下げる糖尿病治療薬

これら二つの薬を常用している場合はBCAAを控えましょう。

BCAAはレボドパの体内吸収量を減らして、レボドパの効果を弱めてしまう恐れがあります。パーキンソン病の場合にレボドパを使っている方ではBCAAを摂取しないようにしましょう。

また、BCAAは血糖値を下げる可能性が考えられています。血糖値を下げる糖尿病治療薬でも血糖値を下げるため、一緒に飲んでしまうと下がりすぎてしまう可能性があります。糖尿病治療薬を使っている場合もBCAAを摂取しないようにしましょう。

3.まとめ

 BCAAは正しく向き合うことで筋トレやダイエットに効果的に利用できる成分です。誤解しないようにしっかりと効果や活用法を理解して生活に取り入れて、あなた自身の目的を達成して欲しく思います。

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