味覚障害を治すために普段からできる亜鉛の活用法

味覚障害 亜鉛
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味がわからなくなるということは、食べることの楽しみがなくなってしまうため非常につらい問題ですよね。

味覚障害が発生した場合は、基本的には病院に行くことを勧めます。しかし、実際のところ、自宅で解決できてしまう味覚障害もあります。

というのも、味覚障害に亜鉛が関わっていることがわかってきており、亜鉛を摂取するだけで味覚障害が解決することがあることが科学的に証明されていつつあるからです。実際の医療現場でも味覚障害に対して亜鉛を使った治療が行われることもあります。

とはいうものの、全ての味覚障害に効果がある訳ではありません。また、原因を取り除かなくては亜鉛を摂ったとしても効果がありません。

当記事では

  • 亜鉛を摂取する際に気をつけるべきこと
  • 亜鉛で改善する味覚障害であるかどうか
  • 病院での治療について

をお話ししていきます。

当記事を読んで味覚障害に対する正しい知識を知り、実際に行動に移して味覚障害を改善していただきたくおもいます。

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1.味覚障害には亜鉛が効果的

natural medicines comprehensive databaseというアメリカで最大の科学的な栄養データベースによると、亜鉛は味覚障害に効果的であるということが示唆されています。

また、現在の医療現場では味覚障害に対する治療法として、亜鉛を摂取させることからはじめるほどです。

何が原因の味覚障害であっても、とりあえず亜鉛を今より多く摂取することをおすすめします。

1-1.亜鉛を多く含む食事

味覚障害に亜鉛が効果があるということで、どのような食事に亜鉛が多く含まれるのか解説していきます。

亜鉛は牛肉やカキに多く含まれます。おすすめはカキフライなどです。以下で表として多く含む食材を表示します。

食品名亜鉛(100gあたり)
牡蠣(生)13.2
豚肉(レバー)6.9
ほや5.3
牛肉(肩)4.9
かに缶4.7
牛肉(肩ロース)4.6
牛ひき肉4.3
牛肉(テール)4.3
たいらがい4.3

これらを積極的に摂取するよう心がけましょう。そうすることで味覚障害の改善に近づくでしょう。

1-2.サプリメントはどうなの?

亜鉛のサプリメントを摂取したら、手軽に亜鉛を摂取することができるのは大きな魅力です。そのため、多くの方が利用したいと考えるのではないでしょうか。

注意してほしいのは、過剰摂取による副作用が報告されているという点です。サプリメントは簡単に摂取できてしまいます。そのため、1日に数粒摂取してしまい、その結果副作用が出てしまうという結果を引き起こしてしまいがちです。もし、サプリメントで亜鉛を摂取するのであれば1日1粒にとどめましょう。大量に摂取したからといって効果が出やすくなる訳ではありません。

また、通常、亜鉛不足による栄養療法は6ヶ月という長い期間で行われます。医師などに亜鉛製剤を貰った場合は数ヶ月試して効かなかったからと言ってやめないよう注意が必要です。

1-3.亜鉛の副作用

亜鉛の副作用として吐き下しや下痢、胃の痛み、腎臓の損傷などをはじめ、前立腺がんというガンになる可能性が高くなるなどの副作用が報告されています。

亜鉛の一日の摂取量は男性は40-45mg/日、女性は35mg/日以下に抑えましょう。これは厚生労働省の日本人の食事摂取基準2015で耐用上限量として設定されている数値です。これ以上摂ると副作用が出てくる可能性が高くなります。

また、1日に食事で9mg/日程度(日本人男性平均)摂取していることから、サプリメント等で摂取する場合は1日1粒にとどめましょう。亜鉛サプリは15mg配合しているものが多いためです。

2.味覚障害の原因を取り除こう!

味覚障害になってしまった場合は亜鉛による治療法をするのと同時に味覚障害の原因を取り除くのが効果的です。

原因を取り除かないままだと、味覚障害が治りにくいだけでなく、治ったとしても再発の危険性があります。そのため、面倒かもしれないが原因を取り除くことは必ず行うようにしましょう。

原因はいくつかに分けられる

  • 薬が原因のもの
  • 食生活が原因のもの
  • ストレスが原因のもの
  • インフルエンザや高熱などが原因のもの
  • 病気が原因のもの
  • その他(神経性のものやシェーグレン症候群など)

自分がどれに当てはまるかを認識することは非常に大切です。医師はあなたの生活を全て把握できている訳ではないからでし。中には治療するためには通院が必要となるものもあるが、味覚障害を改善するために根気強くがんばってみましょう。

以下でそれぞれに関して解説していきます。

2-1.一番多い!薬が原因の味覚障害

味覚障害の場合で最も多いのは、薬が原因となる味覚障害です。

治療のための医薬品の使用により、亜鉛の吸収が抑制され、その結果亜鉛欠乏状態になり、味覚障害が引き起こされるパターンです。この場合は亜鉛の摂取ももちろん重要だが、何よりも原因となる薬をストップすることが重要となります。

以下にその可能性のある薬を列挙していきます。

  • 降圧薬(特に利尿薬)
  • 消化性潰瘍治療薬
  • 抗うつ薬
  • 抗菌薬
  • 抗がん薬

といった薬です。具体的な製品名まで気になる方は、厚生労働省の薬物性味覚障害の資料17ページから25ページを参考にしてください。

これらの薬剤を使用している方は味覚障害が出たことを担当の医師に伝え、薬を中止するか変更するかを含め、検討してもらいましょう。

2-2.食生活が原因の人

食生活が原因の味覚障害の場合、自宅で解決できるケースが多いです。

普通の食生活をしている場合、亜鉛不足になることはまずありえません。

厚生労働省の調査によると亜鉛の必要量は男性では8mg/日、女性では6mg/日であるとされており、男性は平均8.9mg/日、女性は平均7.2mg/日摂取しています。そのため、必要量は多くの方がクリアしています。

しかし、無理なダイエットをしている方、コンビニ食や冷凍食品しか食べない方、多量の飲酒やタバコを吸う方では亜鉛が不足している可能性があります。

味覚障害になったかも・・・とおもったらまず食生活から見直してみましょう。1-1.亜鉛を多く含む栄養素を参考にすると良いでしょう。また、タバコやお酒を普段から大量に飲んでいる方は量を減らすことを強く勧めます。

2-3.ストレスが原因で味覚障害になっている人

特に病気も飲んでいる薬もないが、環境の変化や仕事が激化したことで味覚障害が発生したならば、それはストレスが原因である可能性が高いです。

ストレスを解消するために心療内科を受診するのが最も良いでしょう。また、自分なりのストレス解消法を持っているのならば、それを試してみるのも良いかもしれません。

ストレスが原因で亜鉛が不足するのが原因とする説もあるがその辺りはまだ明らかになっていません。食事やサプリで意識的に亜鉛を摂ることは大して手間でもないので試してみることを勧めます。ただし、過剰に摂取しないようにだけ注意しましょう。

もちろんそのストレス原因を取り除くのが一番ですが、仕事や人間関係であったら実際にストレス原因を取り除くのは難しいです。そのため、代替案としてのストレス解消法や心療内科を受診することを試していきましょう。

2-4.インフルエンザや高熱が原因で味覚障害になる場合

インフルエンザや高熱が原因で味覚障害になることがあります。特に若い人でも味覚障害になると、不安になるのではないでしょうか。

しかし、安心してほしください。この場合の味覚障害は数日で完治します。長くても2週間といったところです。原因としては舌が高熱などが原因で荒れてしまい、それにより味覚に異常が出ているだけです。

積極的に亜鉛を摂取するのと同時に、ゆっくり体が回復するのを待ちましょう。味覚以外が健康で、症状が2週間近く続くようなら耳鼻科に行ってみるのが良いでしょう。

2-5.その他の病気が原因で亜鉛欠乏になる人

一部の肝不全患者、糖尿病、慢性腎不全などでは亜鉛の欠乏になりやすいです。

この場合、病気が原因で亜鉛が体に蓄積されにくい状態になっているため、亜鉛を他よりも多く摂取することで改善の可能性があるが、高用量飲んでしまうと副作用が多く出てしまいます。そのため自分で亜鉛を意図的に摂ってなんとかするのではなく、必ず医師に相談しましょう。それが味覚を取り戻す最短ルートです。

2-6.その他

長期間亜鉛を摂取してるし、これらが原因でないことも明らかな場合は様々な原因が考えられます。

口腔外科範囲のシェーグレン症候群などによるもの、神経性の味覚障害などがあります。これらは病院でしっかり検査しないとわかりません。基本的には耳鼻科にいって検査してもらうところからはじめましょう。

また、既存の病院で治療してもらっているけれど数年経っても効果がでない場合は他の病院や大学病院を受診するのも一つの手です。ただし、味覚障害の治療は最低でも半年以上かかるので、効果が出ないからといってすぐに他の病院に切り替えるのは逆になおりを遅くするはめになります。

3.病院で味覚障害を治そう!

病院に行くとどういう治療をしてくれるのか、何科に行けば良いのか、どれくらいの期間で治療できるものなのか気になる方も多いのではないでしょうか。

基本的には病院でも亜鉛製剤をもらい、それで経過を見つつ、原因を除去していくという治療になります。要は当サイトでお教えしている方法と同じものです。しかし、病院には病院のメリットがあります。

メリット

  • 病院で処方される亜鉛製剤は一般のサプリなどと違い、科学的な実験が行われ効果が実証されている。
  • 個人に応じて副作用などを考慮に入れた上で用量を管理してくれる。
  • 原因に関して正確な検査をし、その対処を医学的に考えてくれる。

デメリット

  • 費用がかかる
  • 通院が面倒

等が挙げられます。基本的には味覚障害になった際には病院に行くことを勧めます。原因を特定した方が改善の可能性があるからです。

最初は耳鼻科に行きましょう。味覚障害は耳鼻科の診療範囲です。検査し原因を突き止めたらその原因をなくす治療となります。その結果に応じて脳神経内科に行くべき、心療内科に行くべきなどを判断してもらえます。

そして、気になる治療期間であるが、少なくとも半年はかかります。そのためどうしても忍耐が必要です。一つの病院に通ってある程度経っても効果が出ないからといって病院を変えることは辞めた方が良いでしょう。1からの治療となり逆に改善まで時間がかかってしまいます。数年経っても改善しない場合は病院を変えたり、大学病院などの大きな病院で治療をすることをおすすめします。

4.まとめ

味覚障害の中でも薬剤によるもの、ストレスによるもの、食生活によるものは亜鉛を摂取するだけで改善しがちです。しかしながら原因を除去しなくては効果が出にくいです。原因をなくすのはなかなか面倒かもしれません。しかしながら味覚障害をしっかり改善するためと思ってしっかり取り組みましょう。

そして、それらが原因でない場合、亜鉛を長期間しっかり摂取しても効果がない場合はちゃんと病院に行きましょう。

しっかり正しい知識を身につけて自分にあった行動をし、味覚障害を改善していただきたく思います。

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