脂肪肝に効果が期待されるサプリと安全で効果的な活用法

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脂肪肝をより効果的に改善するためにサプリを利用したい、でもどれを選んだらよいかわからない。そういった方は多いのではないでしょうか。

脂肪肝に効果的な成分はどれなのか、私たち医大生で結成したチームで、脂肪肝と栄養素について100以上の医学論文に目を通し調べました。

実は、脂肪肝に確実に効果があるといえる成分は存在しません。しかし、一部で効果を指摘されている成分もあります。利用するなら脂肪肝の改善の手助けの可能性がありそうなものを利用する方がよいのではないかと思います。

この記事では

  • 効果の可能性が指摘されている成分と具体的なオススメのサプリ
  • その成分を含むサプリの活用法と副作用
  • 効果が考えられている成分を含む食事

について解説しています。

この記事を読むことで、より効果的に脂肪肝を改善する手助けになるようサプリメントを活用できるようになるでしょう。

脂肪肝の改善の基本は運動療法と食事療法です。これらをせずにサプリメントだけで改善することはありません。サプリメントを利用する場合はあくまで補助であることを忘れないようにしましょう。

効果的な食事療法や運動療法については、今後、医師へのインタビューを通して公開したいと思います。楽しみにしておいてください。

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1.脂肪肝の改善をサポートするサプリメントの選び方

1−1.脂肪肝に効果が期待される成分とは

サプリメントを選ぶために、脂肪肝に効果の可能性がある成分を知っておきましょう。

脂肪肝に効果が期待される成分は二つあります。

  • ベタイン
  • DHA・EPA(n-3系不飽和脂肪酸)

一般に言われているオルニチンやタウリンなど、その他の成分では効果があるとする信頼できる研究は存在しませんでした。

そのため、ベタインやDHA・EPAなどを含む成分を選ぶのがよいのではないかと思います。

 

脂肪肝によいとされる12の成分の科学的根拠を調べた結果

効果の分類成分
脂肪肝の改善が示唆されている成分
  • ベタイン
  • n-3系不飽和脂肪酸(DHAやEPA)
動物実験では効果あったが人では効果が示されていない
  • ダイズ
  • ビタミンb6
 効果を示唆する科学的な実験がない
  • タウリン
  • オルニチン
  • ウコン
  • イノシトール
  • サトウダイコン
  • 石蓮花・荷花掌
  • コエンザイムQ10
不足すると脂肪肝になりやすい成分
  • コリン

これらはpubmed(世界中の医学論文を検索できるサイト)で各成分に関して論文を調べた結果です。詳しい科学的根拠を知りたい方は4.科学的根拠で簡単にまとめてありますので、参考にしてみてください。

注意

ペタインもn-3系不飽和脂肪酸もあくまで”可能性がある”程度です。どちらの成分も脂肪肝の改善については更なる研究が必要である、と論文に書いてあります。過信しすぎないよう注意しましょう。

1-2.具体的にどのサプリメントがいいの?

ベタインやDHA・EPAを含むサプリメントでどれが良いのでしょうか。私の意見としてはネイチャーメイドのスーパーフィッシュオイル(EPA/DHA) 90粒 (1457円)が値段が手頃で良いのではないかと思います。

その理由を解説します。

DHA・EPAのサプリメントについて

正直に申しますと、DHA・EPAを含むサプリメントであればどの製品であっても大して変わらないというのが私の意見です。

というのも、濃度や品質による差は科学的には明らかになっておらず、全く根拠がありません。そのため、どれを選んでも大差がないのではないかと思います。

そのため以下の3つの基準で選びました

  • 用量用法が副作用の出ない量を推奨している
  • 大手メーカー
  • 値段が高すぎない

他のサプリメントを選びたいという場合もこの基準を利用するとよいと思います。副作用の出ない量に関しては次の項で解説しています。

ベタインのサプリメントについて

ベタインに関するサプリメントはプロテインしか見当たりませんでした。プロテインだとカロリーを余分に摂取する結果になります。脂肪肝では摂取カロリーを増やすのは逆効果になります。脂肪肝には適さないので、今現在ではベタインのサプリメントを探すのではなく、DHA・EPAのサプリメントのほうをお勧めします。

2.DHA・EPAサプリの安全で効果的な活用法

DHA・EPAサプリの安全で効果的な活用法

実はDHAやEPAのサプリメントでは過剰摂取により非常に危険な副作用も存在します。

ここでは、副作用に関する知識や、いつ、どれくらい飲むべきかといった活用法に関して解説しました。

これらの知識を知ることでDHA・EPAのサプリメントを安全に、かつ効果的に利用することができます。ぜひしっかりと読んでいただきたく思います。

2-1.副作用について

DHAやEPAの副作用について正確に知っておくことで自分の健康を守りつつ、適切にサプリメントを利用することができます。すぐ理解できる知識ばかりなので、ぜひしっかりと副作用について知っておきましょう

どんな副作用があるのか

DHAやEPAは多く摂取すると、血液の凝固能低下が起きます。これはどういうことかというと、出血した際に血が止まりにくくなるということです。あまり危険を感じないかもしれませんが、これは非常に危険なのです。というのも、何かしらの原因により内蔵で出血が起こると一気に死に至るケースもあります。

過剰摂取による副作用は非常に危険です。過剰に摂取してしまわないよう、気をつけましょう。

どれくらい飲むとだめなのか

1日に3g以上のDHAやEPAを摂取することで血小板凝集を抑制することが以下の実験により明らかになっている。

健康な人では1日に3g以上摂取しないようにしましょう。国民栄養調査によると食事で1.6~1.8g摂取していることが明らかになっているので、サプリや健康食品では1.2g~1.4g以下に抑えましょう。

サプリが逆効果になることも!?
脂肪肝ではサプリメントの利用が逆効果になってしまうこともあります。というのもサプリメントによっては、カプセルの都合上、肝臓での代謝が悪く、より肝臓に負担をかけてしまうことがあるからです。サプリメントを利用する際は用量用法を守り、過剰摂取することはやめておきましょう。

科学的データ

健康な成人94名を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、EPA 1000 mg/日+ DHA 200 mg/日またはEPA 200 mg/日+ DHA 1000 mg/日を4週間摂取させた。その結果、EPAでは-11.8%の血小板凝集がみられ、DHAでは-14.8%の血小板凝集がみられ、プラセボ群と比べ有意に血小板凝集の抑制効果を示した。

また、性別で検討した場合、男性では高EPA油摂取群、女性では高DHA油摂取群で血小板凝集能の低下が認められた。男性では、EPA投与群において、血小板凝集が偽薬群(P = 0.005)および女性(P = 0.011)に比べて、有意に低下(-18.4%)していました。一方、女性では、DHA投与群において、血小板凝集の低下が顕著(-18.9%)であり、偽薬群(P = 0.001)および男性(P = 0.017)に比べて有意な低下となっています。

引用論文:Eicosapentaenoic and docosahexaenoic acid supplementations reduce platelet aggregation and hemostatic markers differentially in men and women.

2-2.効果的な活用法

どれくらいの量を摂取するべきか

脂肪肝に効果的な量に関しては、まだ研究がなされておりません。そのため、副作用が発生しない量を条件にするのが良いと思います。サプリメントで摂取しても良い量は1日1.2g~1.4gと言えます。上記で紹介したスーパーフィッシュオイルだと1日1粒となります。

副作用が発生する可能性が高いのは3g/日摂取した場合です。厚生労働省の「国民栄養調査」によると、食事だけで1.6~1.8g程度摂取しています。そのため、安全に摂取するためには1日に1.2g程度までに押さえておくのが良いのではないかと思います。

いつ摂取するべきか

いつ摂取したら良いかに関しても具体的な根拠は存在しません。私の意見としては夜は避けておくというのが良いのではないかと思います。

というのも、サプリメント自身にもカロリーは存在します。夜は脂肪がつきやすい時間であるため、できるだけカロリーを少なめにしておく方が良いとされています。ですので、サプリメントを摂取する際には夕方までに摂取するようにしましょう。

サプリメントに過度に期待しすぎないようにしましょう
サプリメントだけで脂肪肝が治ることは絶対にあり得ません。必ずサプリメントは運動療法や食事の改善の補助にとどめておきましょう。脂肪肝の原因の多くは生活習慣によるものやアルコールによるものです。そのため、生活習慣を改善することなく治ることはありません。

3.DHA・EPAを含む食材と効果的な調理法

DHAを多く含む食材

サプリメントでの副作用が怖いため食事でDHAやEPAを摂取したいという方もいるでしょう。

DHAやEPAに関しては普段の食事で多くを摂取することができます。そのため、サプリ等に頼らないというのも、一つの選択肢もだと思います。ここではDHA・EPAを含む食材と効率良く摂取するための調理法に関して紹介していきます。ぜひ日頃の食事に生かして欲しく思います。

3-1.DHA・EPAを含むおすすめ食材

DHA・EPAを含む中で一番おすすめの食材は鮭フレークです。

手軽に摂取できるので、毎日続けやすいのではないかと思います。毎朝にでもサケフレークを食べることで十分な量のDHAやEPAを確保できます。

3-2.多く含む食材一覧

とはいうものの、鮭フレークだけでは飽きるという方も多いでしょう。ここではDHAやEPAを多く含む食材を紹介します。

DHAを多く含む食材DHA(mg/100g)EPAを多く含む食材EPA(mg/100g)
アンコウ(肝)3650クジラ(皮)4300
本マグロ2880アンコウ(肝)2300
焼きぶり2284ヤツメウナギ(干し)2200
生ブリ1780すじこ2100
サバ(生)1780シメサバ1600
うなぎ蒲焼1490ヤツメウナギ(生)1500
さんま生1400みりん干し1400
さんま焼き1140数の子1300
焼きアジ1107焼きノリ1200

3−3.効率よく摂取する調理法

最も効率よくDHAなどを摂取できるには刺身など生で食べることです。そうすることで栄養素が調理で溶け出さず、しっかりと摂取できます。しかし、毎日刺身や寿司を食べるというわけにはいきません。そこで栄養素を逃さずに済むおすすめの調理法をご紹介します。

おすすめとして3つの調理法があります。

  • ホイル焼きにする
  • ムニエルにする
  • 煮魚の場合、煮汁も取る

ホイル焼きやムニエルにすることで、溶け出した脂を野菜や小麦粉が吸ってくれるので無駄なくDHAを摂取することができます。ぜひ日々実践して欲しく思います。

4.科学的根拠

科学的根拠

世界中の医学論文を検索できるpubmedをもとに、脂肪肝に効果的な成分について、科学的根拠を徹底的に調査しました。実際にどういう論文が発表されているのか気になる方は参考にしてみてください。

実験がなかったものについて
脂肪肝にいいと言われているほとんどの成分ではそもそも実験が存在しませんでした。全く根拠がないというのが私の意見です。そのような成分を利用してしまわないよう気をつけましょう。

ベタイン

ベタインは脂肪肝の改善の可能性が考えられています。しかし、まだ研究途中であることを意識し、過信しすぎないようにしましょう。

非アルコール性脂肪肝の患者10人において12ヶ月ベタインの経口溶液を摂取させた。その結果、アミノトランスフェラーゼ3人が正常化、3人が50%以上の改善が見られた。ALT -39%、AST -38%の改善が見られた。

この結果に関してさらなる研究が必要である。

参考論文:Betaine, a promising new agent for patients with nonalcoholic steatohepatitis: results of a pilot study.

n-3不飽和脂肪酸

n-3不飽和脂肪酸も脂肪肝の改善の可能性が考えられています。しかし、研究結果にバラツキがあるので、DHAやEPAだけで改善を目指さないようにしましょう。

9つの臨床試験について検討したメタ分析において、非アルコール性脂肪肝患者にn-3系不飽和脂肪酸の摂取させた。その結果、肝臓脂肪、ASTの低下と関連が認められた。

しかし、研究によるバラツキが大きく、さらなる研究が必要である。

参考論文:Omega-3 supplementation and non-alcoholic fatty liver disease

ビタミンB6

ビタミンB6は動物実験で脂質代謝に関わり 、脂肪肝の予防に役立つということがわかっています。しかしながら、人間で効果があったという報告は一つもありませんでした。そのため、脂肪肝の改善を目的とする場合はDHAやEPAなどの方をおすすめします。

ダイズ

ダイズの成分は、多くの実験モデルより、アルコールなどに対して肝臓保護活性があり、脂肪肝や繊維化を防ぐとされています。しかし、これも人間で効果があったという報告は一つもありませんでした。脂肪肝の改善を目的とする場合はDHA.EPAやベタインをおすすめします。

5.まとめ

脂肪肝の改善のサポートとしてサプリメントを利用する場合にはDHA・EPAのサプリメントを利用しましょう。また、活用法や過剰摂取による副作用をしっかりと知ることで、DHA・EPAを最大限に活用できるようになります。ぜひしっかりと活用法などの知識を身につけて、実践して欲しく思います。

あなたの脂肪肝の改善の手助けになれば幸いです。

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