イチョウ葉はどのような効果があるのか、本当に効果があるのか知りたいという方は多いのではないでしょうか。
実は、一般に言われているイチョウ葉の効果については科学的な根拠がないものも含まれます。効果がない可能性が高いのにイチョウ葉を使ったり、続けたりするのはもったいないですよね。
ぜひ、この機会に正しいイチョウ葉の効果と、安全に使えるサプリ、活用法を知りましょう。そうすることで、イチョウ葉と適切に向き合い、健康のために利用できるようになるでしょう。
1.イチョウ葉の4つの効果
イチョウ葉について50ほどの医学論文と文献について検討した結果、4つの効果の可能性があることが考えられます。
- アルツハイマー病で記憶力、認知機能の改善
- 回転性のめまい
- 糖尿病由来の目の病気の改善
- 末梢の動脈閉鎖症の患者の歩行時の痛みの改善
2.イチョウ葉エキスのサプリメントの選び方とおすすめサプリ
イチョウ葉エキスのサプリを選ぶ際には気をつけるべきことが2つあります。
- 商品記載の推奨量が120mg/日以内
- ギンコール酸の濃度が5ppm以下
この2つを満たすサプリメントはいくつかあります。サプリを買おうとする場合には、その商品がこれら二つを満たすかチェックしましょう。
私のおすすめはアサヒのシュワーベギンコ イチョウ葉エキス
ここからどうして120mg/日以下か、ギンコール酸5ppm以下であるべきなのか説明していこうと思います。
2-1.イチョウ葉は120mg/日以内に抑えよう
イチョウ葉エキスは120mg/日以内に抑えるのが良いでしょう。120mg/日を超えて摂取する場合には必ず医師に相談しましょう。
というのも、120mg/日の摂取から脳での出血がいくつか報告されているからです。健康のためにサプリを摂取するのに、健康被害が出てしまっては逆効果ではないでしょうか。いくつか紹介します。
健康被害にあった事例 | 摂取量 | 摂取期間 | 病名 |
---|---|---|---|
33歳女性 | 120mg/日 | 2年間 | 特発性両側硬膜下出血 |
72歳女性 | 150mg/日 | 6ヶ月 | 特発性両側硬膜下出血 |
56歳男性 | 40mgを1日3回 | 18ヶ月 | 脳内出血 |
61歳男性 | 40mgを1日3〜4回 | 6ヶ月 | くも膜下出血 |
脳出血等の危険を考えるとイチョウ葉エキスは120mg/日以内に抑えましょう。また、摂取量をその量に制限している商品が良いのではないかと思います。
2-2.ギンコール酸について
ギンコール酸はイチョウ葉に多く含まれるアレルギー物質です。ギンコール酸の濃度が5ppm以下の商品を選ぶようにするのが良いでしょう。
というのも、ドイツ連邦厚生省により安全として調査された結果が5ppmだからです。
ギンコール酸によって引き起こされるアレルギーとして、深刻なアレルギー性皮膚炎、粘膜刺激症状などがあります。やっかいであるため気をつけましょう。
市場には濃度5ppmを超える粗悪品も数多く発売されています。必ずギンコール酸の濃度が5ppm以下の製品を選びましょう。
- 120mg/日以内の摂取になるように
- ギンコール酸濃度が5ppm以下
3.安全にイチョウ葉を活用するための2つの知識
イチョウ葉のサプリメントを安全に活用するために知っておいて欲しい2つの知識をご紹介します。
- 副作用について知っておく
- 使ってはいけない人を知っておく
これらの知識を持っておくだけで、何も知らないよりはるかに副作用から身を守ることができるようになります。
3-1.イチョウ葉の副作用
イチョウ葉は適切な量を摂取する分においてはほとんど安全です。
しかし、一部の人で副作用が出ることが確認されています。また、120mg/日を超えた過剰摂取でも副作用が出る可能性があります。以下の副作用が見られたらすぐに摂取をやめ、病院に行くようにしましょう。
一部の人でおこる副作用
- 胸焼け
- 頭痛
- めまい
- 便秘
- 動悸
- アレルギー性皮膚炎
過剰摂取で起こる副作用
- 脳内出血
- くも膜下出血
- 硬膜下出血
イチョウ葉のサプリメントを利用していてこれらの副作用が出た場合には、必ず摂取を中止し、病院に行きましょう。
3-2.イチョウ葉を使ってはいけない人
一部の人ではイチョウ葉を摂取した場合、命に関わるような危険な副作用が起きる可能性があります。イチョウ葉を利用する前に、自分が該当しないかどうかチェックしましょう。
- 手術の予定がある人:手術中に出血が止まらないおそれがあります。
- 糖尿病:糖尿病の管理に影響を及ぼすおそれがあります。
- けいれんを起こしたことがある人:痙攣が悪化するおそれがあります。
- 出血性疾患:出血が止まらず多量出血のおそれがあります。
- 不妊症:妊娠を妨げるおそれがあります。
- 妊婦:早産や分娩時に過剰出血のおそれがあります。
- 120mg/日以内を守り過剰に摂取しないようにする
- 2.イチョウ葉サプリの選び方とおすすめサプリで紹介したような安全なサプリを利用する
- 副作用について知っておき、症状が出たらすぐに病院に行く
- 自分が使ってはいけない人に該当しないかチェックしておく
4.効果の信頼性と科学的根拠
効果の可能性が科学的に考えられているが、 |
|
効果がない可能性が高い |
|
そもそも信頼できる研究がない |
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4-1.効果の可能性が科学的に考えられているが、確実に効果があるとは言えない
上で紹介した4つの効果に関してはアメリカで最も信頼性の高い成分データベース(Natural Medicines database)により、効果の可能性が指摘されています。
しかし、効果がないとする医学論文もあり、確実に効果があるとは言えない現状にあります。
アルツハイマーについては研究途中とする論文
2013年7月までを対象にRCT8つについて検討したメタ分析を行った。
アルツハイマー患者によるイチョウ葉エキスの摂取は、6つの実験で認知機能の向上、4つの実験で日常生活活動の向上と関連が認められた。しかし、試験によるばらつきが大きく、まだ研究段階である。また、アルツハイマー症の進行リスクに影響は認められなかったという研究も2つあった。
末梢動脈閉鎖での歩行時の痛みの改善には効果がなかったとする論文
実験方法:末梢動脈疾患者62名を対象としてイチョウ葉エキス錠300 mg/日を4ヶ月間摂取させるRCTを行った。
結果:トレッドミル最長歩行時間、痛みを伴わない歩行時間、歩行障害に効果は認められなかった。
4つの効果については効果の可能性が科学的に指摘されていますが、効果がない可能性もあることを知っておきましょう。
4-2.一般に信じられているが効果がない可能性の高いイチョウ葉の効果
以下の3つに関しては一般では効果があるとして信じられていますが、効果がない可能性が高いです。
- 健康な人での記憶力アップ
- 高血圧
- むくみや冷え性
それぞれの科学的根拠について説明していきます。
健康な人での記憶力アップへの影響
健康な人では記憶力アップの効果はない可能性が非常に高いです。記憶力アップを目的にイチョウ葉のサプリメントを買うのはやめたほうが良いでしょう。
2007年1月までを対象にRCT15つについて検討したメタ分析を行った。
その結果、60歳以下の健常人によるイチョウ葉エキスの摂取 には、認知能を向上させる効果は認められなかった。
2012年3月までを対象にRCT13試験 について検討したメタ分析を行った。
その結果、健康な成人によるイチョウ葉エキスの摂取は、13試験全てで記憶力に影響を与えなかったという結果であり、実行機能や注意力にも影響を与えなかった。
引用論文:Is Ginkgo biloba a cognitive enhancer in healthy individuals? A meta-analysis.
記憶力アップを目的にイチョウ葉のサプリメントを買うのはやめたほうが良いでしょう。
高血圧への影響
イチョウ葉で高血圧は改善しなかったという大規模なデータがあります。
高齢者3,069名を対象として、イチョウ葉抽出物240 mg/日を平均6.1年間摂取させるRCTを行った。
その結果、高血圧発症のリスク低減、高血圧者の血圧低下はともに認められなかった。
引用論文:Effect of Ginkgo biloba on blood pressure and incidence of hypertension in elderly men and women.
高血圧の改善ではイチョウ葉は利用しないようにしましょう。
むくみや冷え性への影響
むくみや冷え性に関しては信頼できる医学研究が一つも存在しませんでした。私の意見としては、効果がない可能性が高いと思います。
5.イチョウ葉の効果と活用法のポイント
イチョウ葉はアルツハイマー病の改善を始め、4つの効果が科学的に考えられています。安全に利用すれば非常に有用な成分と言えるでしょう。
しかし、一般に信じられているものの、効果がない可能性の高いものもあります。それらを目的としてイチョウ葉を利用しないよう注意しましょう。
あた、副作用を引き起こさないよう、摂取量やサプリメントの選び方には注意しましょう。
適切にイチョウ葉を摂取できるようになり、あなたの健康に役立てましょう。
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