カリウムを過剰摂取するとどういった症状が現れるのか、自分は過剰摂取なのか、不安にお思いではないでしょうか。
カリウムは通常量では体に必要な栄養素ですが、過剰摂取すると命にかかわることもあります。
普通に食事で摂取しているとほとんどが排泄されて安全ですが、サプリメントを摂取している人や、病気をお持ちの方では注意が必要です。
この記事でカリウムについてしっかりと知り、過剰摂取になってしまうのを避けましょう!
1.カリウムの過剰摂取の症状
カリウムの過剰摂取の症状としては、吐いたり、筋肉に力が入らないといった症状が良く見られます。
その他にも、
- 熱っぽい感じ
- うずくような痛み
- 体がだるい
- 手足や唇の麻痺
- めまい
- 低血圧
- 不整脈
などが考えられています。
特に、不整脈は心臓が止まり死に至る恐れがあるので、非常に危険です。
2.自分がカリウム過剰な状態かチェックしよう
健康な人では、バナナやトマトジュースをはじめ、食事からのカリウムの摂取では過剰摂取になることはめったにありません。というのも、食事で大量に摂取しても、体内の調節機構が働いて尿として排泄されるためです。
カリウムが過剰になりやすい人は以下のような人です。
- カリウムのサプリメントを利用している人
- 腎臓の病気をお持ちの方
- 高血圧の薬を飲んでいる方
これらに当てはまる方はカリウムの摂取量には要注意しましょう。
2-1.サプリメント
カリウムのサプリメントを利用している方は、その含有量を確認してください。
特に、1600mg/日以上サプリメントで摂取する場合は、注意が必要なように思います。
というのも、食事とサプリメントの合計が3810mg/日以内のカリウム摂取であれば安全と考えられており、日本人の食事からの摂取が2200mg/日程度のためです。詳しくは3-2.サプリメントとの上手な付き合い方で説明しています。
2-2.腎臓の病気がある人
腎臓の病気をお持ちの方では、カリウムの摂取には要注意です。
というのも、健康な方では摂取したカリウムは尿となって体の外に出されますが、腎臓の病気をお持ちの方ではカリウムを尿中に排泄することが難しく、体の中にたまっていってしまいます。一般よりも少なくても、危険値になることも珍しくありませんので、要注意です。
カリウムを多く含む代表的な食材については3-3.腎臓の病気の人が気を付けるべき食材でお話しています。
2-3.高血圧の薬を飲んでいる方
一部の高血圧の治療薬では、血液中のカリウム濃度を増加させる作用があります。それらの高血圧治療薬を利用しているときにカリウムを摂取すると過剰になる可能性が考えられています。
以下で代表的な薬を一覧として紹介します。一般の方は商品名の部分だけ参照するとよいでしょう。
分類 | 成分の一般名 | 商品名 |
---|---|---|
ACE阻害薬 | カプトプリル | カプトリル |
エナラプリル | レニベース | |
リシノプリル | ゼストリル ロンゲス | |
アンジオテンシンⅡ阻害薬 | ロサルタン | ニューロタン |
バルサルタン | ディオバン | |
イルベサルタン | イルベタン アバプロ | |
カンデサルタン | ブロプレス | |
テルミサルタン | ミカルディス | |
カリウム保持性利尿薬 | スピロノラクトン | アルダクトンA |
トリアムテレン | トリテレン |
3.過剰にならないための生活習慣
カリウム過剰による高カリウム血症を避けるためには、4つのことを気を付けましょう。それだけで、過剰摂取の危険性がぐっと下がるでしょう。
- 食事とサプリメントを合わせて3810mg/日以内に抑える
- サプリメントはカリウムの含有量が表示されているものを選び、1600mg/日以内の商品が良い
- 腎臓が悪い人では、カリウムを多く含む食材について知っておく
- 高血圧の治療を受けている人では医師に確認をとる
3-1.カリウムの安全な摂取量を知っておく
アメリカの成分栄養データベース(Natural Medicine database)によると、3810mg/日以内のカリウムの摂取であれば、ほとんどの場合安全なようです。
食事からの摂取ではこの数字を超えることはほとんどありません。むしろ、食事からの場合は、高血圧や脳卒中の予防のため、カリウムをできるだけ多く摂取することが推奨されています。
3-2.サプリメントとの上手な向き合い方
サプリメントはカリウムの含有量が表示されていて、1600mg/日以内の商品にするのが良いでしょう。その条件を満たすサプリメントとしては、カリウムバランサーなどが良いのではないかと思います。
カリウムの含有量表示について
一部のむくみサプリ、高血圧サプリとして販売されているものの中には、カリウムの含有量が表示されていないものがあります。多量にカリウムが入っており、安全でない可能性がありますので、そのような商品は絶対に避けましょう。
1日の摂取量について
平成25年国民健康・栄養調査報告によると、日本人のカリウム摂取量の平均値は2231mg/日と報告されています。安全な摂取量が3810mg/日以内であることから、サプリメントでの摂取は1600mg/日以内にしておくのが良いと思います。
サプリを利用してはいけない人
消化管運動機能障害という病気の患者さんはカリウムのサプリメントを摂取してはいけません。消化管の中にサプリメントが存在する時間が長くなるため、カリウムが多く吸収され、体内のカリウムが危険な水準に達することがあります。
また、腎臓の病気をお持ちの方、高血圧治療を受けている方でもサプリメントは利用すべきではありません。血液中のカリウム濃度が危険なほど高まり、命に危険を及ぼす可能性があります。
3-3.腎臓の病気の人が注意すべき食材
カリウムは野菜や果物、豆類に多く含まれます。腎臓の病気をお持ちの方では、一般よりも少ない量のカリウムが過剰量になってしまうこともあります。あらかじめ多く含む食材について知っておき、避けるようにしましょう。
野菜 | 果物 | 豆類 | |||
---|---|---|---|---|---|
パセリ | 1000mg | アボガド | 720mg | 大豆 | 1900mg |
ゆりね | 690mg | バナナ | 360mg | エンドウ豆 | 970mg |
にんにく | 530mg | メロン | 350mg | フライビーンズ | 710mg |
モロヘイヤ | 530mg | キウイ | 290mg | 納豆 | 660mg |
シソ | 500mg | さくらんぼ | 260mg | おから | 230mg |
枝豆 | 490mg | ザクロ | 250mg | うずら豆 | 230mg |
ほうれん草 | 490mg | パパイヤ | 210mg | 豆乳 | 190mg |
より多くの種類のカリウムを含む食品を知りたい方は、引用元サイトを参考にしてみてください。
4.まとめ
カリウムは体に必要な栄養素ですが、過剰摂取してしまうと命にかかわることもあります。
普通に食事から摂取している分には安全ですが、サプリメントを利用している方や腎障害の方、高血圧薬を利用している方では注意が必要です。
この記事を読んで正しい使い方を知り、過剰摂取にならないようカリウムを健康に取り入れていただけたら幸いです。
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参考文献
- ナチュラルメディシン・データベース
- メルクマニュアルカリウム濃度の異常
- 厚生労働省日本人の食事摂取基準2015
- 厚生労働省平成25年国民健康・栄養調査報告
- カリウムの多い食品と、食品のカリウムの含有量一覧表