妊娠後期の悩みは尽きないもの。体重増加、むくみ、胃の圧迫感、お腹が大きくて料理がたいへん…など、さまざまな苦労が隠れています。もうすぐ赤ちゃんに会えるのは楽しみではありますが、カラダのつらさはたまりませんよね。
この記事では妊娠後期の食事の悩み解決に役立つレシピと、妊娠後期のつらい家事を楽にするアイデアをご紹介します。
1.妊娠後期に摂りたい栄養
まずは妊娠後期の食事を考えるうえで大切な、妊娠後期に摂りたい栄養について簡単に解説します。
1-1.カルシウム
妊娠年齢にある女性はカルシウム摂取量が不足しているため、意識して補う必要があります。
赤ちゃんのカラダに必要なカルシウムは、妊娠後期に大半が蓄えられます。 妊娠中はカルシウムの吸収率が高まるため、本来ならプラスしてとる必要はありませんが、不足しがちな栄養のため、積極的に補いましょう。
牛乳やヨーグルトなどでカルシウムを補うようにすると、妊娠後期にプラスしたいカロリーも補えます。朝食や間食に牛乳をプラス1杯(またはヨーグルトをカップ1杯)取り入れてみましょう。
1-2.鉄
妊娠中は鉄の必要量が増えますが、とくに妊娠後期はたくさんの鉄が必要になります。赤ちゃんが大きくなるにつれ、赤ちゃんに蓄える鉄の量が増えたり、母親の血液量が増えたりすることが理由です。
妊娠後期にプラスする鉄の量は9.5㎎で、合わせて16.0㎎もの鉄を食事からとる必要があります。以下の記事を参考に、鉄を摂る工夫を行いましょう。
1-3.ビタミンA
ビタミンAは視力を正常に保つ働きや、免疫システムに関わる働きがあるため、赤ちゃんにとっても大切な栄養素です。
レバーやサプリメントに含まれるビタミンAは過剰摂取してはいけませんが、野菜に含まれるβ-カロテンなどのビタミンAは積極的にとる必要があります。 なぜなら、ビタミンAは赤ちゃんのカラダで作り出すことができず、母親から供給されるしかないからです。
かぼちゃやトマト、にんじん、ほうれん草といった色の濃い野菜に含まれるため、積極的に補いましょう。
2.お悩み別おすすめレシピ~体重増加編~
「妊娠後期は水を飲んでも体重が増える」なんて言葉もあるくらい、体重増加に悩む妊婦さんは多いものです。ちょこちょこ食べていたら体重が増えてしまった、産休に入ってからさらに増えてしまった…などとさまざまなパターンがあるかと思います。
お腹が大きくてたいへんな妊婦さんのために、簡単に作れてヘルシーな料理&おやつのレシピをご紹介していきます。
2-1.たっぷり食べても安心!ささみときゅうりともやしの中華サラダ
ささみときゅうり、もやし、しめじと全てヘルシーな食材を使ったサラダです。作り置きしておけば、あと1品足りないときに便利です。
野菜とささみの加熱は電子レンジでOKです。また減塩が気になる方は、しょうゆを大さじ4→2~3へ減らしましょう。
2-2.夜食にも◎具沢山の簡単野菜スープ
野菜をたっぷり入れた具沢山スープです。野菜は冷蔵庫にあるもの何でも大丈夫です。作り置きしておけば、こっそり食べたい夜食にもおすすめです。
2-3.意外な組み合わせがやみつき!切り干しナポリタン
ケチャップ×切干大根の意外な組み合わせですが、合うんです。切干大根がケチャップをいい感じに吸って、まさにナポリタン。歯ごたえもシャキシャキとして食べ応えがあります。
切干大根には鉄、カルシウムが含まれるのもおすすめしたいポイントです。
2-4.おやつからも栄養をとろう!ぷるぷるミルク餅
牛乳と片栗粉、砂糖で作る簡単おやつです。さらにきなこをかければ、カルシウム、鉄、食物繊維がとれます。砂糖をもう少し減らす&低脂肪乳に変えるとさらにヘルシーになりますよ。
2-5.ヘルシーデザート黒蜜きな粉寒天
寒天に黒蜜ときなこをかけていただくヘルシーなおやつです。寒天は食物繊維が含まれるので、便秘にも悩む妊婦さんはとりたい栄養素です。食べたいときにすぐに作れるのがうれしいレシピです。
3.お悩み別おすすめレシピ~むくみ編~
妊娠中はホルモンの変化や血液量が増えることでむくみやすくなります。妊娠後期になるにつれひどくなる方が多く、足のだるさや痛さに悩む方も少なくないのではないでしょうか。
検診で医師に相談したうえで、食事から改善できるところはないか探してみましょう。塩分をとり過ぎないように注意し、カリウムをとることでもむくみ改善に繋がります。
3-1.いつものメニューを減塩に!豚肉のさっぱり生姜焼き
酢を使うと酸味のチカラで調味料を減らすことができます。いつもの生姜焼きも、調味料にお酢を加えることで減塩メニューに変身します。
3-2.減塩の味方カレー粉!揉んで焼くだけ『タンドリーチキン』
カレー粉は減塩に大活躍する調味料。カレー粉の風味で調味料控えめでもおいしく食べられます。タンドリーチキンは漬け込んで焼くだけなので簡単に作れます。
3-3.牛乳でコクをアップ!白菜のミルクスープ
スープに牛乳を使うことで味がまろやかになり、薄味でもおいしく食べられます。スープは具沢山にするのも減塩のひとつの方法です。
4.お悩み別おすすめレシピ~胃の圧迫感編~
赤ちゃんが大きくなるにつれ、胃が圧迫されてすぐに満腹になってしまう悩みを持つ方が増えてきます。対策は間食でしっかりと栄養を補うこと。お菓子ばかりではなく、赤ちゃんの成長に必要な栄養をとれる間食にしましょう。
4-1.カルシウム補給にも!天かすと桜海老のおむすび
桜えびには妊娠後期にとりたいカルシウムが含まれています。おにぎりは冷凍しておくと、食べたいときにすぐに食べられるので便利です。
4-2.簡単おいしい!しらすチーズトースト
こちらも食べたいときにサッと作れるので便利です。しらすにはカルシウムが含まれています。パンとしらすを冷凍保存しておくとさらに便利です。
4-3.腹持ちバツグン!ホットケーキミックスとおからの抹茶チョコチップスコーン
おからを乾燥させた「おからパウダー」とホットケーキミックスを使った簡単スコーンです。おからパウダーは食物繊維がたっぷり含まれるので、便秘が気になる方にもおすすめです。おからパウダーはお腹の中で膨らむので、腹持ちがいいのもうれしいですね。
kurashiru:ホットケーキミックスとおからの抹茶チョコチップスコーン
4-4.食物繊維がとれる!さつまいももち
さつまいもと片栗粉を混ぜて焼くだけで簡単もちもちおやつが作れます。さつま芋の食物繊維のほかに、カリウムもとることができますよ。
4-5.自然な甘さがうれしい!かぼちゃとレーズンのグラッセ
鉄を補給できるレーズンと、ビタミンAをとれるかぼちゃを組み合わせたシンプルなおやつです。さらには食物繊維の補給にも◎。自然な甘みを活かしたやさしい味わいもうれしいですね。
5.妊娠後期の料理が大変な時に役に立つもの
妊娠後期は赤ちゃんが大きくなり、重たいお腹を抱えての料理はたいへんなものです。そんなときは時短できる便利なグッズやミールキット、さらにはお弁当やお惣菜も活用してカラダの負担を減らしてあげましょう。
産後のたいへんな時期にも役立つものばかりなので、チェックしてみてくださいね。
5-1.時短調理家電を有効活用
電子レンジ
どの家庭にも1台はあるのが電子レンジ。お弁当や冷凍食品を温めるだけでなく、蒸し料理にも使えます。
電子レンジで蒸し調理するときに役立つのがシリコンスチーマーです。蒸気がほどよく逃げておいしく蒸し上がりますし、お皿のように容器が熱くならないので加熱後も持ち運びやすいです。
見た目がオシャレなものを選ぶと、食卓にそのまま出せるので洗い物が減らせるのもいいですね。
マルチクッカー
マルチクッカーは圧力調理、煮込み、蒸し、炒め料理など、食材を入れてボタンを押すだけで簡単に調理してくれます。
炊飯器でも煮込み料理できるのでは?と思うかもしれませんが、炊飯器で煮込み料理をすると、同じタイミングでご飯が炊けなくなってしまうのが不便です。
マルチクッカーがあると、炊飯器でご飯を炊きながらその隣でおかずが作れるのがいいですね。
5-2.ミールキットを利用
ミールキットは必要な食材を必要な分だけ届けてくれるサービスです。決まったメニューの食材とレシピが届くので、メニュー決めに悩まないでいいところと、買い物の手間も省くことができます。
通常のミールキットは野菜はカットされていない状態で届きますが、さら時短したいときは野菜がカットされているセットを選ぶのがおすすめです。10~15分で調理が終わってしまうので、立ちっぱなしのつらさも軽減できます。
5-3.お惣菜や弁当を活用
料理も何もしたくないときは、お弁当やお惣菜もどんどん活用しましょう。無理に料理してツライ思いをするよりは、ときには手抜きしてしっかりとカラダを休めてあげてくださいね。
ただしお弁当やお惣菜で気になるのが塩分のとり過ぎや野菜不足です。例えば漬物は食べないようにする、煮汁は飲まないようにするなどの工夫で減塩したり、野菜が足りない分はカットされたサラダ野菜を利用したりすることで対策しましょう。
5-4.減塩やカロリーが気になる方は宅配弁当もあり
減塩やカロリーが気になる妊婦さんは、宅配弁当の利用もおすすめします。重たいお腹を抱えてバランスのいい食事を作るのもたいへんですよね。最近では宅配弁当の種類が増えてきており、妊婦さん向けに塩分やカロリーを考えられたものがたくさんあります。
冷凍された状態で届くので、食べるタイミングを決められるのもうれしいところ。毎日ではなく週に2~3回などと調整してもOKです。
妊娠後期におすすめのレシピと、料理がたいへんな妊婦さんに役立つアイデアをまとめました。赤ちゃんに会えるまでもう少し。元気な赤ちゃんに会うために、あともう少しの期間をうまく乗り切りましょう。