サプリメントの副作用と副作用を予防する10のルール

サプリメント 副作用
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サプリメントを使うことでどんな副作用があるのだろうか、実際に使っているサプリメントは安全なのだろうかとお思いではないでしょうか。

健康になるために使うサプリメントで、逆に副作用が出てしまうのは不安ですよね。

結論から言うと、サプリメントには副作用があります。しかし、正しい選び方や使い方をしておくと、副作用の大半を予防することができます

この記事では、サプリメントで副作用が起こる原因や、安全なサプリメントの選び方・使い方、それぞれの成分ごとの確認されている副作用を解説しました。

是非、サプリは安全だという誤解をただし、安全にサプリメントと向き合ってください!

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目次

1.「サプリメントは薬じゃないから安全」は大きな誤解です

2.副作用が出にくい!安全なサプリの選び方と使い方

3.各成分ごとの副作用と薬との相互作用一覧

1.「サプリメントは薬じゃないから安全」は大きな誤解です

サプリメントは薬じゃないから安全だと思っている方が非常に多いかと思います。

しかし、サプリメントにも副作用はあります。ひどい事例では死亡事故も起こっています。

サプリメントは薬じゃないから安全という誤解を正し、サプリメントを選ぶ際にも安全性を重視しましょう!

1-1.サプリメントによる死亡事例

サプリメントによる死亡事故の例として「トリプトファン事件」という事件があります。

この事件では、必須アミノ酸のトリプトファンのサプリメントを飲んだ人で、健康被害は1500人以上、死亡例は37件という大惨事でした。サプリメントの製造時に含まれた不純物や過剰摂取などが原因と考えられていますが、正確な原因ははっきりとわかっていません。

トリプトファンは、体に必要なアミノ酸で安全と考えられていました。そのような栄養素でも副作用により死亡事例が起こりうることは知っておいた方がいいでしょう。

トリプトファン事件についてはトリプトファンの副作用で詳しく解説しております。

1-2.サプリの副作用の原因

サプリメントによる副作用の原因としては以下の4つが考えられています。

使用しているサプリメントが安全ではない

製品によっては、主成分が安全な量以上含まれていたり、不純物が含まれています。また、そもそも安全ではない成分が多く含まれている場合もあります。それが原因で副作用が出ることは非常に多いです。

過剰摂取

ビタミンやミネラルといった安全と考えられている成分でも、過剰摂取すると下痢や肝障害といった副作用があることがわかっています。どのような栄養素であれ、過剰摂取しないようにしましょう。

薬との相互作用

ほぼすべてのサプリメントにおいて、薬との組み合わせは非常に危険です。薬の効果を弱めたり強めたりすることがわかっています。治療に影響を与えるので、薬を利用している方はサプリメントを利用しないでください。

間接的な悪影響

サプリメントの効果を信じすぎるために、手遅れになって病院に来る方が最近増えています。病気の治療のためにサプリを利用しないでください。サプリメントの主な役割は健康維持です。

2.副作用が出にくい!安全なサプリの選び方と使い方

サプリメントでも副作用が起こりうることは知っていただけたかと思います。

それを踏まえたうえで、どうすれば安全にサプリメントを選び、利用できるのかをお話していこうかと思います。

2-1.安全なサプリの選び方6ヶ条

安全にサプリメントを選ぶために、当サイトでは厚生労働省の資料、医学論文をもとに以下の6つのチェックポイントを見ることを強く推奨しています。

安全で効果的なサプリメントの選び方6ヶ条

  1. 目的とする栄養素について、トクホ・栄養機能食品があれば、そちらを選ぶ
  2. 成分名・含有量・お問い合わせ先が書かれているか調べる(特に○○抽出物に注意!)
  3. 製造方法がしっかりしている(GMP基準準拠かどうか)
  4. 個人輸入・海外製品ではないかチェック
  5. 魅力的な表現(受賞歴や人気ランキング1位など)に要注意しておくこと
  6. 科学的な根拠がない効果を目的に選ばない

詳しくは安全なサプリメントの選び方の記事で解説しています。

これらの基準でサプリメントをチェックするだけで、多くの安全でないサプリメントを回避することができるでしょう。サプリメントを選ぶ際には必ずこれら6つのチェックポイントを確認してみてください。

2-2.副作用が出にくい使い方

副作用が出ないために気を付けてほしい使い方は4つです。

副作用が出にくい使い方

  1. 必ず商品に書かれている用量用法を守る
  2. 妊婦・子供・老人・病気の人では、自己判断でサプリメントを利用しない
  3. 薬を利用している時はサプリをやめる
  4. 複数のサプリメントを利用しない

これらを守るだけで、副作用による危険性が大幅に減ります。

用量用法を守る

過剰に摂取したからといって効果が出やすくなるわけではありません。むしろ副作用が出る可能性が高まります。

妊婦・子供・老人・病気の人

これらの人では倫理上の問題から実験を行うことが非常に難しいです。そのため、十分なデータが得られておらず、安全とはいいがたいです。特に妊婦さんの場合はおなかの赤ちゃんへの影響もあり、サプリメントは医師の判断無く利用してはいけません。

薬を利用している人

薬との相互作用により、薬の効果を強めたり弱めたりすることがあります。治療に影響を与えることはもちろん、最悪の場合命にかかわるケースもあります。薬を利用している人では絶対にサプリメントを利用しないでください。

複数のサプリメントを利用しない

多くのサプリを利用したほうがより健康になれるというイメージがあるかもしれません。しかし、サプリを多く使うと成分同士の相互作用により、思わぬ副作用が出ることが考えられています。サプリメントを利用する際は、必ず複数のサプリの利用はやめておきましょう。

3.各成分ごとの副作用と薬との相互作用一覧

代表的なサプリメントに含まれる成分の副作用について表にしました。このような副作用があるんだ、とサプリメントを使うかどうか判断するときの参考に利用してください。

表に載っておらず、副作用を知りたい成分がございましたらお問い合わせよりご連絡ください。

表の上手な使い方

  • 妊婦さん、薬を使っている人、病気の人では必ず医師の方に相談のうえでサプリメントを利用してください
  • 全ての副作用、相互作用が載っているわけではありません。体調が悪くなったらすぐに病院に行きましょう
  • 50音順に並んでいますので、目的の成分までスクロールしましょう
成分名副作用医薬品との相互作用
亜鉛
  • 一般的には安全
  • 人により嘔吐や下痢、腎臓や胃の損傷
  • 過剰摂取で発熱、咳、胃の痛みなど
  • 長期の過剰摂取で前立腺がんのリスク上昇の可能性あり
  • 1回に10-30g摂取すると命ににかかわります
  • 出血性疾患やエイズの方では摂取に要注意。命を縮めるおそれあり
  • ペニシラミン(抗リウマチ薬)
  • 抗菌薬(テトラサイクリン系、キノロン系)
  • シスプラチン
アサイー
  • アサイーが安全かどうかについて十分なデータが得られていません
  • アサイージュースにはシャーガス病やアメリカトリパノソーマとの関連性が示唆されています
  • 妊婦・授乳婦では安全性を考慮して使用しないでください
不明
アルギニン
  • 短期間の経口摂取ならほとんどの人で安全。
  • 吐き気、腹痛、下痢、静脈炎、アレルギー顔のほてり、低血圧、頭痛、妊娠中毒、早産、しびれなどが副作用として考えられています
  • 過剰摂取により子供では死に至る危険あり
  • ヘルペス・低血圧は悪化する可能性があります
  • 妊婦・授乳婦では長期間の摂取は安全性が確認できていないので、やめておくように
  • 心循環改善薬
  • 高血圧治療薬
  • シルデナフィル
イチョウ葉
  • 適量の経口摂取はほとんどの人で安全
  • 一部の人で胸やけ、頭痛、めまい、便秘、アレルギー性皮膚炎など
  • 紫斑及び出血のリスクが高まることが懸念されています
  • 糖尿病・不妊症・出血性の病気の人では要注意!悪化の恐れあり
  • アルプラゾラム
  • ブスピロン
  • エファビレンツ
  • フルオロキセチン
  • イブプロフェン
  • 糖尿病治療薬
  • 抗てんかん薬
  • 血液凝固抑制薬
  • ワルファリン
ウコン
  • 副作用の実際はまだわかっていない
  • 胆のうの病気、胃食道逆流症、手術前では使用しないように
  • 妊婦では絶対にウコンを利用しないように。薬用量の経口摂取で妊娠を脅かす可能性あり
  • 血液凝固抑制薬
カリウム
  • 食事と合わせて合計90mEq以下ならばほとんどの人で安全です
  • 一部の人で腹痛や嘔吐、下痢などの副作用があります
  • 過剰量の摂取はとても危険です。麻痺、うずくような痛み、錯乱、不整脈など
  • ACE阻害薬
  • ARB
  • カリウム保持性利尿薬
カルシウム
  • 推奨量以内量の摂取ではほとんどの人で安全ですぅ
  • 過剰な摂取は危険です。心臓発作のリスクを増やす恐れがあることが指摘されています
  • セフトリアキソン
  • 抗菌薬(キノロン系、テトラサイクリン系)
  • ビスフォスフォネート
  • カルシポエリン
  • ジゴキシン
  • ジルチアゼム
  • エストロゲン
  • レボチロキシン
  • ベラパミル
カルニチン
  • ほとんどの成人で安全
  • 人により嘔吐、悪心、落ち着きのなさなどを引き起こすことあり
  • 発作を起こした人、甲状腺の病気がある人では禁止
  • 妊婦・授乳婦では使用しないでください
  • アセノクロマロール(抗凝固薬)
  • ワルファリン
グルコサミン
  • ほとんどの人で安全
  • 胸やけ、下痢、便秘、眠気、頭痛が一部の人で起こります
  • 高血圧や頻脈の人では悪化する可能性があります。要注意
  • がん治療薬
  • ワルファリン
コエンザイムQ10
  • ほとんどの人で安全です
  • 胃のもたれ、食欲不振、下痢など
  • 子供でも安全と考えられていますが、医師の指示なしに利用しない方が良いでしょう
  • 妊婦・授乳婦では使用してはいけません
  • 高血圧治療薬
  • がん治療薬
  • ワルファリン
コラーゲン
  • 十分なデータが得られておらず、安全性・副作用については不明です
  • 妊婦や授乳婦ではデータ不十分のため使用は控えた方が良いでしょう
  • 考えられる副作用として、胸やけ・下痢・眠気・頭痛など
不明
タウリン
  • 適量ではほとんどの人で安全
  • 1日14gという高容量では脳症と関連があると考えられています
  • リチウム
豆乳
  •  大豆含有のサプリメントは、短期間ならばほとんどの人で安全
  • 一部の人で便秘、悪心、発疹、かゆみなど
  • のう胞性線維症、子宮内膜ガン、腎疾患、膀胱がん、甲状腺機能低下症では悪化の可能性があります。
  • 妊婦・授乳婦では食事の量を超えてサプリメント等で摂取しないようにしてください
  • 抗うつ薬
  • 抗生物質
  • エストロゲン
  • タモキシフェン
  • ワルファリン
ヒアルロン酸
  • 塗り薬や注射として用いる場合一般的に安全です
  • 食べ物やサプリなど経口での摂取は十分なデータが得られておらず安全とは言えません
  • まれにアレルギー反応が出ることもあります
  • 妊娠中・授乳期は医師が行う場合以外は使用してはいけません
 不明
ビタミンA
  • 1日10000IUを越えなければ、一般的に安全
  • 過剰摂取:肝臓障害、胃の不調、疲労、嘔吐、食欲減退など
  • 更年期を過ぎた女性:過剰摂取により骨粗しょう症や骨折のリスク上昇
  • 妊婦:推奨量を超えると先天異常を起こす可能性あり。推奨量を超えないよう注意
  • レチノイド(皮膚の病気の治療薬)
  • 抗菌薬(テトラサイクリン系)
  • 肝臓を傷める医薬品
  • ワルファリン
ビオチン
  • 一般的に安全
  • 人工透析では余分に摂取する必要あり
不明
ビタミンB12
  • 過剰摂取しなければ一般に安全
  • 下痢、かゆみ、アレルギー反応
  • 真性赤血球増加症、巨赤芽球性貧血、レーベル氏病では禁忌
  • クロラムフェニコール
ビタミンC
  • 過剰摂取しなければ、一般的に安全
  • 嘔吐、胸やけ、頭痛、胃痙攣など
  • 過剰摂取の場合、腎結石や悪性の下痢
  • 心筋梗塞、ガン、糖尿病、サラセミア、腎結石、鎌状赤血球貧血では禁忌
  • 妊婦での多量摂取は赤ちゃんに問題が発生する可能性あり
  • アルミニウム(制酸薬)
  • エストロゲン
  • HIV/エイズ治療薬
  • がん治療薬
  • ナイアシン
  • ワルファリン
ビタミンD
  • 過剰摂取しなければ一般には安全
  • 過剰摂取:過労、眠気、頭痛、食欲不振、嘔吐など
  • 腎疾患・動脈硬化・サルコイドーシス・副甲状腺機能亢進症・リンパ腫では要注意。利用は必ず医師の判断のもと
  • 妊婦で過剰摂取は赤ちゃんに深刻な害を与える可能性があります
  • アルミニウム(制酸剤)
  • カルシポトリエン
  • ジゴキシン
  • ジルチアゼム
  • ベラパミル
  • 利尿薬
ビタミンE
  • 推奨量を守れば一般的に安全
  • 過剰摂取により死亡リスクが高まる可能性あり
  • 過剰摂取:下痢、胃痙攣、頭痛、発疹、紫斑など
  • シクロスポリン
  • 血液凝固抑制薬
  • がん治療薬
  • 脂質異常症治療薬(スタチン系)
  • ナイアシン
  • ワルファリン
ビタミンK
  • 過剰摂取しなければ一般的に安全
  • 重症の肝疾患、腎臓の病気で透析を受けている患者では禁忌
  • ワルファリン
ブルーベリー
  • ほとんどの人で安全です
  • 糖尿病の人では血糖値を下げる可能性があるので、自身の判断で利用しないでください
  • 妊娠中・授乳婦では食べ物として摂取する分には安全です。サプリや薬としての安全性は明らかになっていないので避けましょう
 なし
プラセンタ
  • 十分なデータがないため安全かはわからない
  • アレルギーや薬剤性の肝障害を起こしたという報告もあります 
 不明
マカ
  • 食べ物として摂取するならほとんどの人で安全です。
  • 3か月以内ならサプリ等でも安全と考えられています。それ以上の長期摂取は控えましょう
  • 妊娠中・授乳婦では使用しないでください
 不明
葉酸
  • 400μg/日以内ならほとんどすべての人で副作用は起こりません
  • 400μg/日以上の摂取では医師の判断無く摂取してはいけません
  • 過剰摂取で下痢、アナフィラキシー、気管支喘息、睡眠障害、錯乱、胸やけ、脱毛症、血圧低下など
  • 長期間の過剰摂取で心臓発作のリスク上昇、肺がん、前立腺がんのリスク上昇などが示唆されています
  • 妊婦でサプリを使う場合は必ず事前に医師と相談してください
  • フルオロウラシル
  • カペシタビン
  • ホスフェニトイン
  • メトトレキサート
  • フェノバルビタール
  • フェニトイン
  • ピリミドン
  • ピリメタミン
リコピン

適量ならほとんどの場合で安全です

前立腺がんの方では悪化の恐れがあります

妊娠中・授乳婦では食事からの摂取は安全ですが、サプリでの摂取は安全性が確認されていません。食事から摂取するようにしましょう。

 不明
レスベラトロール
  • 食品以外での摂取については十分なデータが得られていません。
  • 乳がんや子宮頸がんなどの人は悪化の恐れがあります
  • 妊娠中・授乳婦ではワインからのレスベラトロールは摂取してはいけません
  • 血液凝固薬
ローヤルゼリー
  • ほとんどの人で安全です
  • 一部の人で重篤なアレルギー反応が出ることがあり、死に至ることもあります
  • 妊娠中・授乳婦ではデータが不十分です。使用は控えてください
  • ワルファリン

参考文献:ナチュラルメディシン・データベース

上の表を作る際に参考にした「ナチュラルメディシン・データベース 健康食品・サプリメント(成分)のすべて」 は専門書ではありますが、健康食品を多く使う方は一般の方でも家に1冊あっても良いかと思います。気になる成分が出た際に有効性や安全性を辞書のように調べられます。

4.まとめ 

この記事ではサプリメントは安全だという誤解を正し、適切にサプリメントを使っていただくために執筆しました。

サプリメントは、健康を維持するうえでとても役に立つものです。しかし、利用法や選び方を間違えると途端に危険になってしまいます。健康を得るためのもので逆に健康に害が生まれるのはもったいない事ではないでしょうか。

この記事を読んで、サプリメントの副作用と安全な使い方について、しっかりと活用していただけると幸いです。

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