血圧を下げる高血圧サプリはどれ?科学的に検証してみた

高血圧 サプリ
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たくさんのサプリメントが血圧を下げるとして宣伝しています。でも、たくさんありすぎて、どれが本当に効果あるのかわかりませんよね。

せっかく使うなら効果のあるものを利用したいところではないでしょうか。

実は、医学論文をしっかり調べていくと、科学的根拠が全くないにもかかわらず、効果があるかのように宣伝しているサプリメントが非常に多くあります

そこで、この記事では高血圧サプリメントに利用されている主要な成分について、私たち医大生で効果があるのか医学論文をもとに調査してみました。

この記事を高血圧の改善に役立てていただけると幸いです。

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1.血圧を下げる可能性が科学的に指摘されているのはたったの2つ

現在発売されているサプリで表記してある、高血圧に効果があるとされている成分をピックアップし、それぞれの医学論文を調査してみました。

その結果、血圧を下げる可能性があるとして、信頼できる医学調査があったものは、カリウム、γ-アミノ酪酸(GABA)2つだけでした。

ここからはさらに詳しくそれぞれの成分について解説していきます。

具体的にどういう商品を選べばよいかは2.血圧が高めの人に適したサプリ・健康食品で詳しく解説しています。
血圧を下げる可能性あり
  • カリウム
  • γ-アミノ酪酸(GABA)
効果ありとする研究も効果なしとする研究もある
  • ニンニク
科学的根拠なし・不十分
  • DHA・EPA
  • タウリン
  • サポニン
  • コエンザイムQ10(ユビキソン)
  • カゼイン
  • カツオ節オリゴペプチド
  • ナットウキナーゼ
  • カルシウム
  • カテキン
  • ラクトトリペプチド
  • マグネシウム
成分の有効性について十分な科学的な根拠は見当たらなかったものの、ラクトトリペプチドカツオ節オリゴペプチドカゼインは商品によっては科学的な根拠があるものもあります。それらの商品はトクホ(特定保健用食品)として国に許可を受けています。もし、これらの成分を利用したい場合は、市販のサプリメントではなく、トクホを利用しましょう。

1-1.カリウム

カリウムを摂取することにより、最大血圧で2~4 mmHg、最小血圧で0.5~3.5 mmHgの低下が見られたという結果が非常に信頼性の高い論文として報告されています1)

また、私が調べた中ではカリウムが3つの中で最も科学的根拠がしっかりしていました。そのため、どれか一つを選ぶとしたらカリウムがおすすめです。

カリウムに関する研究

実験人数2609名(33論文)
研究種別メタアナリシス
結果収縮期の血圧で平均3.11 mmHg(-1.91から-4.31mmHg)、拡張期の血圧で平均1.97 mmHg(-0.52から-3.42 mmHg)の血圧低下が見られた。(ただし、極端な結果が出ていた1論文については除外した)

カリウムが血圧に影響を及ぼすメカニズム

カリウムは腎臓でナトリウムを再び吸収するのを抑えます。ナトリウムは高血圧と原因となるため、ナトリウムの再吸収を抑えることで、血液中のナトリウム濃度を下げ、血圧を下げると考えられています。

そのほかの効果について知りたい方はカリウムの効果の記事で解説しています。

1-2.γ-アミノ酪酸(GABA)

 γ-アミノ酪酸を摂取することにより、最大血圧で13~22mmHg、最小血圧で1.5~13mmHgの血圧低下が見られたという報告2)があります。ただし、信頼できる研究が一つしか見つからず、血圧の低下量については更なる研究が必要だと考えられます。

γ-アミノ酪酸の研究

実験対象者39人の高血圧患者
研究種別RCT(ランダム化比較試験) 
実験方法12週間、毎日GABAを摂取してもらい、その後2週間GABAを摂取せずにいてもらった。0,2,4,8,12,14の週で血圧と心拍数を測定した。 
実験結果実験開始から2~4週間以内に血圧の有意な減少がみられ、12週間の摂取期間を通して低下したままでした。 γ-アミノ酪酸摂取群では12週後、収縮期血圧で17.4±4.3 mmHgの低下、拡張期血圧で7.2±5.7 mmHgでした。

GABAが血圧を下げるメカニズム

GABAは神経伝達物質として体の中で働き、末梢血管の交感神経を抑えると考えられています。その結果、血管が収縮(血管が狭くなる)するのを抑え、その結果血圧が上昇するのを抑えると考えられています。

1-3.ニンニク

ニンニクの血圧への効果については、効果があるとする研究も効果がないとする研究もあり、確実に効果があるとはいえません

ニンニクを摂取することにより、最大血圧で6~11mmHg 、最小血圧5~9mmHgの血圧低下が見られたということが信頼性の高い医学論文3)で報告されています。ただし、同様に信頼性の高い研究で効果がないという報告4)もあります。

ニンニクが血圧に対して効果があったとする研究

研究対象11論文
研究種別メタアナリシス
研究結果それぞれの研究から平均すると、ニンニクの摂取により収縮期血圧で8.4±2.8mmHg、拡張期血圧で7.3±1.5 mm Hgの血圧低下が見られた。

ニンニクが血圧に対して効果を示さなかったとする研究

研究対象32論文
研究種別メタアナリシス
研究結果ニンニクが血圧に及ぼす影響を調べた研究は質が低いものが多かった。というのも、多くの試験で血圧測定上のデータを報告しておらず、研究者の盲検化が行われていないものもあった。また、質の高かった試験4つではニンニクは血圧に影響を及ぼさないという結果であった。これらを考えると、ニンニクが血圧を下げると言うことはできない。

ニンニクが血圧に影響を及ぼすメカニズム

ニンニクに含まれるメチルアリルトリスルフィドが血液が固まる作用を弱め、それにより血圧を下げるのではないかと考えられていますが、はっきりとしたことは今のところ分かっていません。

2.血圧が高めの人に適したサプリ・健康食品の選び方

これまで挙げてきた科学的根拠をもとに、実際に商品を選ぶ場合どういうポイントに気を付けるべきか具体的にお話しようと思います。

血圧が高めの人に最適なサプリや健康食品を選ぶ5つのポイント

  • カリウム、γ-アミノ酪酸(GABA)といった科学的に根拠のある成分を含む商品を選ぶのが最善!
  • カリウムやγ-アミノ酪酸を含む健康食品では、サプリよりもトクホがおすすめ!
  • ニンニクが含まれる商品を選ぶ場合は、効果が全くない可能性もあることを理解しておく
  • ラクトトリペプチド、カツオ節オリゴペプチド、カゼインはトクホ以外は利用しない方が良い!
  • よくわからない成分をもとに作っているサプリは選ぶな!効果がない可能性が高い

2-1.科学的に根拠のある成分を選ぼう!

残念なことに、全く根拠がないのにも関わらず、効果があるかのように見せている商品は数多くあります。

それらの商品を使うよりも、科学的に効果の可能性が指摘されているものの方が、血圧を正常に保つ助けになるのではないかと私は思います。

もし、気になる成分が先ほどの一覧には書かれていないけれど、実際にどうなのか知りたい場合はお問い合わせフォームよりご質問ください。医学論文を調査し、お返事させていただきたく思います。

2-2.カリウムやγ-アミノ酪酸はサプリよりもトクホの健康食品がおすすめ

カリウムやγ-アミノ酪酸については、商品ごとに有効性を科学的に調査し、国の許可を得ているトクホ(特定保健用食品)があります。

同じ成分を含んでいても効果が出ないといったことは多くあります。少しでも有効な可能性がある商品を選ぶのが良いのではないでしょうか。

おすすめの健康食品

さまざまな商品を検討したところライオンの「トマト酢生活」がおすすめです。

トマト酢生活

ライオンのトマト酢生活公式ページで購入することができます。

ライオンが注目した「トマト酢」にはカリウムやγ-アミノ酪酸が米酢、リンゴ酢、黒酢よりも多く含まれています。「トマト酢生活」は臨床試験で血圧への働きが確認されており、酢酸やカリウム、γ-アミノ酪酸などの働きにより穏やかに血圧に作用すると考えられています。

トマト酢生活の有効性に関する研究軽症高血圧、血圧が高めの方90名に対し、毎日1本のトマト酢生活を飲んで頂く方と飲まない方に分けて実験(RCT)を行いました。その結果、トマト酢生活摂取群では平均で最大血圧が8mmHg、最小血圧が4mmHg低下しました。

トマト酢生活結果のグラフ

参考文献:薬理と治療34(6)、2006

有効性や安全性に関する研究結果がしっかりあり、消費者庁に許可されている「トクホ」を当サイトではオススメしております。

購入の場合は、ライオンの トマト酢生活公式ページで購入することができます

カリウムはサプリメントはできるだけ避けよう!

カリウムのサプリメントでの過剰摂取は非常に危険ですのでおすすめしません

というのも、カリウム過剰による高カリウム血症は命にかかわることもあるからです。詳しくはカリウムの過剰摂取の記事で説明しています。

2-3.ニンニクのサプリについて

ニンニクについては商品ごとに科学調査が行われているトクホは今のところ存在しません。また、ニンニクの有効性も議論の分かれるところです。

そのため、ニンニクのサプリは効果がない可能性も十分にあるということを認識したうえで利用するのが良いでしょう。ニンニクのサプリを選びたい場合はサプリメントの選び方で解説しているポイントを押さえながら選ぶのが良いでしょう。

2-4.ラクトトリペプチド、カツオ節オリゴペプチド、カゼインはトクホ以外は避けよう

これらの成分は成分自体には科学的根拠はまだ不十分です。しかし、トクホでは商品ごとに科学的根拠を調べ、国に許可されています。科学的根拠のレベルは薬などとは雲泥の差がありますが、それでも何の根拠もないサプリメントよりも遥かに信頼がおける研究内容です。

そのため、これらの成分を目的とする場合は、必ずトクホを選ぶようにしましょう。

3.血圧を下げるサプリ・健康食品の上手な使い方

血圧を下げるサプリメント・健康食品はあくまで補助であるということをしっかりと認識しておきましょう。サプリや健康食品だけで改善するということは絶対にありえません。

もう高血圧に悩まされないためにも、必ず生活習慣の改善を同時に行うべきです。

3-1.サプリや健康食品だけでは改善しない理由

信頼性が高いカリウムによる血圧の低下でも、最大血圧で2-4mmHg、最小血圧で0.5-3.5mmHgの血圧低下です。そんなに大きく血圧が低下するわけではありません。多くの高血圧に悩んでいる方は、この血圧低下だけでは高血圧を改善することはできないのではないでしょうか。

このことを考えると、やはり生活習慣の改善こそ何より重要であると言えるでしょう。

また、患者さんの中にはサプリメントや健康食品を利用しているから大丈夫といって、以前にも増して生活習慣が悪化する方がいます。これだけは絶対に避けましょう。たいていの場合血圧を含めそのほかの指数まで悪くなってしまいます。

3-2.高血圧を改善するための7つの生活習慣

日本高血圧学会による「高血圧治療ガイドライン2014」によると、以下の7つのポイントに気を付けて生活するのが良いとされています。

高血圧改善の7つの生活習慣

  1. 減塩 1日6g未満
  2. 野菜・果物・魚の積極的摂取
  3. コレステロールや飽和脂肪酸の摂取を控える
  4. BMI 25以下になるよう減量する
  5. 毎日30分程度の運動(有酸素運動)
  6. 禁煙
  7. お酒を控える(エタノールで一日当たり男性20-30ml以下、女性10-20ml以下)

これらを改善すると、高血圧はかなり改善します。高血圧でもう悩まないようになるためにも、健康食品だけでなく、生活習慣にも目を向けましょう!

まとめ

これまで高血圧サプリなどに含まれる成分の調査や、具体的なサプリメントの選び方、生活習慣の改善などをお話してきました。改めて簡単にまとめようかと思います。

高血圧のサプリ・健康食品のポイント

  • 医学的に効果が示唆されているのは、カリウム・γ-アミノ酪酸の二つだけ!
  • これらの成分を含む商品を選ぶなら、トクホのようにしっかりと調査されているものを選ぼう!
  • 上手な使い方は生活習慣の改善を行いつつ、健康食品を利用すること!

この記事を読んで、少しでも高血圧に悩む人の力になれたら、と願います。

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参考論文

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