育毛や精力、アトピーといった悩みに関して亜鉛のサプリメントに頼るべきか悩んでいる、そういった方は多いのではないでしょうか。
わざわざお金と時間をかけるのですし、実際に効果があるのか知りたいかと思います。
この記事ではよく亜鉛のサプリメント等でいわれている
- 育毛
- 精力増強
- 味覚障害
- アトピー
に関して調査しました。
また、実際に悩みを解決するために具体的にどういう行動をすれば良いのかまで書きました。
どれも今日から実践できることばかりです。ぜひ、亜鉛やあなたの悩みに関して正しい知識を知り、最短ルートで悩みの解決へ行動していきましょう。
1.亜鉛の効果
亜鉛は多くの酵素に含まれ、遺伝子発現やタンパクの合成などに関わり、生体に必要な栄養素です。しかし、巷でいわれている効果に関しては科学的根拠のないものがほとんどです。
亜鉛の効果について調査するため、Natural Medicines database(アメリカで最も科学的に信頼されている栄養データベース)、医学論文を調べ上げました。
亜鉛が効果がある可能性があるのは
- 味覚障害
- 亜鉛欠乏症による脱毛症や免疫低下
の二つです。
育毛や男性機能向上、アトピー性皮膚炎に対しては信頼できる実験が見当たりませんでした。
ここからは亜鉛とそれぞれの効果について詳しく見ていきましょう。
2.亜鉛で髪が増えるのは一部の人
亜鉛は亜鉛欠乏症による脱毛症には効果があるでしょう。しかし、普通の脱毛には効果がない可能性が高いです。
Natural medicine databaseによると、脱毛には効果がないかもしれないという記載があります。また、pubmed(全世界の医学論文を検索できるサイト)で亜鉛と育毛について調べたが、十分に科学的根拠となる実験結果は見当たりませんでした。
2-1.亜鉛欠乏症かどうか
普通の食生活を送っている人は亜鉛欠乏症にはなりません。しかし、食生活が非常に偏っている人、亜鉛を体内に取り込みにくい病気を持っている人では起こりがちです。
亜鉛欠乏症になりやすい食生活
- インスタント食品しか食べていない人
- 無理なダイエットのためほとんど食べ物を食べていない人
などが亜鉛欠乏症になりやすいと言われています。少し偏った食生活程度では亜鉛欠乏症にはなりません。
もし、このようによほど食生活が偏っている人では亜鉛を摂取することで、髪の毛が戻ってくるかもしれません。
病気が原因で亜鉛欠乏状態の人
一部の病気で亜鉛欠乏になりがちです。
- 糖尿病
- 慢性腎不全
- 肝不全
- 利尿薬を飲んでいる患者
などがこれにあたります。
これらの患者では亜鉛を体内に取り込みにくい状態にあります。この場合で亜鉛欠乏が疑われる場合は医師に相談の上、亜鉛のサプリを取るのが良いのではないかと思います。
ただし、医師に相談なくサプリメントを摂取しないようにしてください。思わぬ副作用の可能性があります。
2-2.ミノキシジルを含む育毛剤を試すのがベスト
育毛をしたい場合は、ミノキシジルを含む育毛剤がおすすめです。
というのも、十分な科学的根拠があり、医療現場でも第1選択薬として用いられているからです。
ミノキシジルは8件の非常に優良な研究で効果があることが示されています。また、副作用は今のところ起こっていません。
日本では「リアップX5」という商品のみが発売されており、薬剤師のいるドラッグストアなどで容易に手に入れることができます。
3.亜鉛は精力回復しない
亜鉛は精力回復に効果があるという十分な科学的根拠は見つかりませんでした。
natural medicine databaseによると、男性の性的問題を解決するために亜鉛を経口摂取することの有効性は様々な研究があるが、科学的データが不十分であると記載されています。また、pubmedで医学論文を探したものの、十分な科学的根拠を有する研究は見つかりませんでした。
実はEDの改善に関しては科学的に根拠のある方法があります。そちらを実践するのが良いのではないでしょうか。
3-1.科学的根拠のあるED解決法
EDを解決するためのポイントは「一時的なEDの回復」と「根本的なED治療」の両方を同時に行うことです。
というのも、一時的なED治療だけでは徐々に薬などの効果が薄れてきます。いずれどんな方法を試してもEDのままという状態になってしまいます。
一時的に精力を回復する方法
一時的なED治療法は2種類あります。
- バイアグラを始めとするED治療薬を利用する。
- L-アルギニンを利用する
バイアグラ・レビトラ・シアリスを使うのは最短ルートであり、確実な方法です。今ではED外来という専門病院もでき、非常に安価に手に入れることができます。
しかし、どうしても病院に行きたくないという人もいるでしょう。そういう方はL-アルギニンのサプリメントを試してみると良いでしょう。科学的根拠の質がバイアグラ等に比べかなり落ちるが、勃起不全に効果がある可能性があると考えられています。
おすすめとしては「ドクターズチョイス L-アルギニン5000」が良いでしょう。
アルギニンと精力に関して知りたい方はアルギニンと精力について知っておくべき科学的に正しい知識をみていただくとより詳しく理解できるかとおもいます。
精力回復のための根本的解決
EDの原因を取り除くのは長期的なアプローチが必要ですが、絶大な効果を発揮します。原因を取り除ければ、一生EDで悩まずにすむようになる可能性もあります。
EDの原因のうち3つは生活習慣を改善することで解決することができます。
- 運動不足や肥満
- 喫煙
- 心の問題
これらを改善していくことでEDの悩みとはおさらばできるかもしれません。
具体的な行動など、さらに詳しく知りたい方は精力に亜鉛が良いってホント?精力を回復するたった二つの方法をみるとより理解が深まるでしょう。
4.味覚障害に効果の可能性あり
亜鉛は味覚障害に効果的であると考えられています。そのため、味覚障害では食事やサプリメントから亜鉛を多く摂取することを強く勧めます。
ただし、味覚障害に対する亜鉛による治療は6ヶ月という長い期間で行うのが通常のため、長期間にわたって続けることは意識しておきましょう。
natural medicines databaseによると、亜鉛は味覚障害に効果的であるということが示唆されており、現在の医療現場では味覚障害に対する治療法として亜鉛を摂取することから始まります。
4-1.亜鉛を多く含む食事
亜鉛は多くの食材に含まれます。穀類、肉類、魚介類、豆類、種実類、卵類、嗜好飲料など、多くの食材で含まれている。特に多いのは牡蠣です。
また、手軽に摂取できる亜鉛のサプリメントも有効です。
注意してほしいのは、過剰摂取による副作用が報告されているという点です。もし、サプリメントで亜鉛を摂取するのであれば1日1粒にとどめましょう。大量に摂取したからといって効果が出やすくなる訳ではありません。
4-2.味覚障害の原因を取り除こう
味覚障害も亜鉛を摂取するだけでなく、原因を取り除くということは非常に重要なことです。
味覚障害の原因としてあげられるのは
- 薬
- 食生活
- ストレス
- インフルエンザや高熱
- 病気
などがあります。
4-2-1.薬が原因の場合
味覚障害の中で最も多いのが薬による味覚障害です。この場合は担当医師にその薬によって味覚障害になったことを伝え、違う薬に変えてもらうなどを検討してもらいましょう。
可能性のある薬としては
- 降圧薬(特に利尿薬)
- 消化性潰瘍治療薬
- 抗うつ薬
- 抗菌薬
- 抗がん薬
です。
具体的な薬品名は厚生労働省の薬物性味覚障害の資料17ページから25ページを参考にしてほしくおもいます。
4-2-2.食生活が原因の場合
亜鉛欠乏の場合、味覚障害になりがちです。
しかし、普通の食事を食べている人はまず亜鉛欠乏になりません。亜鉛欠乏になりがちな人はインスタント食品しか食べない人、無理なダイエットをしている人、多量の飲酒やタバコをする人などです。
心当たりがある人は積極的に亜鉛を摂取するようにしましょう。
4-2-3.ストレスが原因の場合
特に薬を飲んでいない、食生活も普通である、という場合はストレスが原因の可能性があります。このような場合はしっかりと休息を取ることが重要です。
趣味などでストレスを発散するか、ストレスが続く環境がずっと続くと予想される場合は、環境から変えることを勧めます。
ストレスが重度の場合は心療内科にいきましょう。味覚障害が出ていることを伝えた上で2人3脚で改善を目指してほしくおもいます。
4-2-4.インフルエンザや高熱が原因の場合
インフルエンザや高熱の場合の味覚障害ではすぐに改善します。
というのも、高熱が原因で舌が荒れてしまっていることが原因だからです。インフルエンザなどが治ってから1週間程度で味覚障害も治ります。もし、1週間経っても治らない場合は他のものが原因の可能性があるので病院に行きましょう。
4-2-5.病気が原因の場合
肝不全患者、糖尿病、慢性腎不全などでは亜鉛の欠乏になり、味覚障害になりやすいです。この場合は普段より多めに亜鉛を摂取すると改善します。
自分の判断でサプリを何g飲もうとするのではなく、担当の医師に相談した上でどれくらい飲めば良いのかアドバイスを受けるようにしましょう。それが味覚を取り戻す最短ルートです。
5.亜鉛とアトピー
亜鉛はアトピーに効果がないことがわかっています。アトピーになった場合には基本的に病院に行ってステロイド軟膏や抗ヒスタミン薬を貰ってくることをおすすめします。その上でスキンケアを正しく実行するのが解決の近道です。
アトピー性皮膚炎患者50名 (1~16歳) を対象とした二重盲検比較試験において、硫酸亜鉛185.4 mg/日を経口摂取させても、表面積、紅斑の重症度、痒み、睡眠障害の軽減や治療薬の減量は見られなかったという報告があります。
参考文献Failure of oral zinc supplementation in atopic eczema.
5-1.自宅でできるスキンケアの8つのポイント
アトピー状態では
- かゆみが出やすい
- 皮膚中の水分が失われやすい
- 菌などに感染しやすい
といった特徴が挙げられます。
このため、スキンケアでは8つのポイントに気をつけると良いです。
①爪を短く切り、ひっかかないよう心がける。
②汗や汚れはすぐに落とす
③お風呂では強くこすらない。
④石鹸やシャンプーは刺激の強いものを避け、しっかりとすすぐ。
⑤お風呂に入る際は高温のお湯を避ける(かゆみを感じない程度が良い)
⑥入浴後すぐに保湿クリーム等を塗る
⑦室内を清潔にし湿度を50%程度に保つ
⑧洗剤は界面活性剤の含有量の少ないものを使用する
5-2.アトピーで一番大切なことは日常の健康です
アトピーになった場合一番大切なことは日常の健康です。
アトピーは免疫系が原因になっているため、完治するのは現在の医療ではまだ不可能な状態です。病院に行ってステロイドや外用薬による対処療法ももちろん重要ですが、完治が不可能である以上悪化させないことは非常に大切です。
というのも、アトピーが悪化する原因は本人の遺伝的な理由だけでなく
- アレルゲン
- 汗や乾燥
- 引っ搔き傷
- 洗剤
- 寝不足
- 過労
- ストレス
といったものだからです
これらはほぼ全てあなたの日常生活や先ほどのスキンケアに関わるものではないでしょうか。病院に通うのと同時にあなたの生活を見直してみましょう。疲れがたまりすぎていないでしょうか。寝不足になっていないでしょうか。
アトピーはあなたの生活を改善することが最大の治療です。
6.まとめ
亜鉛で科学的に効果があると考えられているのは
- 味覚障害
- 亜鉛欠乏症による脱毛症や免疫低下
の二つです。
その他の悩みの場合は亜鉛は効果がない可能性が高いです。そのことを考えると科学的根拠がある他の方法を試してみるのはいかがでしょうか。
当サイトではそれらの悩みの解決法まで書いているので、ぜひ参考にして悩みを解決してほしく思います。
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