妊娠後期だからこそ知らなくてはならない食べ物の知識と3つの注意点

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「妊娠後期に差し掛かったのだけど、これから食生活はどのように変えていけばいいのだろう…?」と疑問に感じているのではないでしょうか。

妊娠後期はお腹の中の赤ちゃんの発育が急速に進む大切な期間、だからこそ赤ちゃんにとって最善の選択肢を選んであげたいところ。

そこで今回は、妊娠後期に取るべき食べ物や栄養について解説します。

記事の後半では、それらの食材を使ったおすすめレシピや食べるのが好ましくないもの、食事の注意点などについても解説しているので、この記事を参考に出産までの準備を整えてくださいね!

最低限これだけでも!妊娠後期の女性に必要な栄養素

妊娠後期の女性に必要な栄養素としては、主に以下の4つが挙げられます。

必要な栄養素摂取推奨量主な食べ物
タンパク質約75g肉・魚・乳製品・卵・豆類・大豆製品
カルシウム約660g牛乳・ヨーグルト・しらす・ごま・小松菜
鉄分約21.0mgマイワシ・ひじき・あさり・小松菜・納豆
葉酸480μg枝豆・ほうれん草・ブロッコリー

この中でも、特に摂取すべきだとされているのが葉酸です。

詳しくは後述しますが、葉酸には胎児が先天異常に掛かるリスクを低減する効果があるため、日頃から意識して摂取してくださいね。

胎児の筋肉を作るタンパク質

2015年に厚生労働省が発表した『日本人の食事摂取基準』によると、妊娠後期の女性は非妊娠時よりもタンパク質を25g多めに取るべきだとされています。

というのも、妊娠後期は胎児の発育が急速に進む期間であり、同様に胎児の体の基礎を作るタンパク質も必要量が増えるためですね。

ちなみに、非妊娠時の女性が摂取すべきタンパク質量の基準は約50gとなっています。

比較的タンパク質が多めに含まれている食べ物としては納豆や卵が挙げられますが、その納豆も1パック(45g)で約7.4g、卵1個で約6.2gしか含まれていません。

そのため、大豆や卵に加えて、肉や魚といった主菜をバランスよく食べることが重要です。

胎児の骨を作るカルシウム

カルシウムは胎児の骨格形成に必要不可欠な栄養素です。

一般的には「妊娠時はカルシウム摂取量を約1000mgに増やそう!」と語られることが多いですが、しかしこれは誤りです。

『日本人の食事摂取基準』でも説明されている通り、妊娠時は腸管からのカルシウム吸収率が増加するため、わざわざカルシウムの摂取量を増やす必要はありません。

とはいえ、そもそも日本人はカルシウムの摂取量が不足しがちですから、日頃から推定必要量である約660mgを意識したいところですね。

ちなみに、コップ1杯(約200g)の牛乳に含まれるカルシウムは約220mgですので、最低でも1日に1~1.5杯分の牛乳を飲むのがおすすめです。

貧血を抑える鉄分

厚生労働省が発表した『鉄の食事摂取基準』によると、月経がない成人女性の鉄分の推奨摂取量は1日あたり6.0mgで、妊娠後期に差し掛かるとさらに15.0mg増加して約21.0mg必要となります。

これはお腹の中の赤ちゃんに酸素を送るために、血液の量や流れが活発になるからです。

きちんと鉄分を摂らないと血液に含まれるヘモグロビンの濃度が低下し、貧血を引き起こす原因に繋がるので注意しましょう。

鉄分を効率的に摂取したい方は、小松菜やあさりなどがおすすめですよ。

胎児の発育を助ける葉酸

葉酸は数あるビタミンの中でも、特に妊娠時に必要だとされている栄養素です。

というのも、葉酸には胎児が先天異常に掛かるリスクを低減する効果があるからですね。

これは日本産婦人科医会が作成した『葉酸摂取による胎児異常発生予防』でも明らかにされています。

また、葉酸は貧血の予防対策になるほか、胎児の発育を助ける効果もあるので、ほうれん草や小松菜、キャベツといった葉野菜を積極的に摂りましょう。

ちなみに、非妊娠時における推奨量は240μg、妊娠時における推奨量はその倍の480μgとなっています。

妊娠後期の女性におすすめな料理レシピ5選!

具体的に食べるべきものが理解できたところで、次にこれらの食材を使ったおすすめ料理レシピについて見ていきましょう。

いずれも、すぐ作れるようにクックパッドのレシピからピックアップしているので、実際に作ってみたい方はぜひそちらを参照してくださいね。

しらすと小松菜のチャーハン

引用:cookpad.com

こちらは過去にクックパッド内で『話題入り』したこともある大人気メニューです。

卵でタンパク質、しらすでカルシウム、小松菜で鉄分や葉酸など、妊婦が必要とする栄養素がバランスよく含まれているところがポイントでしょう。

作り方も熱したフライパンに卵、小松菜、しらす、白米、塩コショウ、しょう油を投入して炒めるだけなので、身重な体でもさっと作れますよ。

参考:『妊婦飯◎しらすと小松菜のチャーハン』

ワカメアボ納豆

引用:cookpad.com

ワカメアボ納豆とは卵かけご飯に、市販の納豆、水で戻したワカメ、さいの目に切ったアボカド、カイワレ大根を投入しただけの簡単メニューです。

ポイントはしょう油などを加えずに、納豆のタレとゆかりだけで味を調整することですね。

塩分控えめなうえ、さらっと食べれるおすすめレシピなので、胸焼けなどに悩む方は試しに作ってみてはいかがでしょうか。

参考:『妊娠後期に最適!簡単♪ワカメアボ納豆』

ほうれん草と舞茸の和え物

引用:cookpad.com

ほうれん草と舞茸の和え物は、ゆでたほうれん草と舞茸に炒り卵を加えて和えたもので、おつまみからお弁当まで幅広く活躍するメニューとなっています。

ほうれん草は前述の小松菜と比較するとカルシウムと鉄分の含有量で見劣りしてしまいますが、葉酸含有量はこちらのほうが優れており、鉄分の吸収率を上げるビタミンCも多く含まれています。

また、舞茸には食物繊維がたっぷり含まれているため、便秘改善も期待できますよ。

参考:『妊娠、授乳に!ほうれん草と舞茸の和え物』

春雨スープ

引用:cookpad.com

春雨スープといえば妊婦のみならず、女子から幅広く支持されているメニューですね。

ヘルシーなのはもちろんのこと、さらっと食べられて腹持ちもよいため、体重増加しがちな妊娠後期の心強い味方となってくれることでしょう。

また、春雨スープはアレンジしやすい点もポイントで、今回取り上げているものは豚肉を入れることにより動物性タンパク質も摂取できるようになっています。

参考:『妊婦に優しい春雨スープ』

豆腐ケーキ

引用:cookpad.com

豆腐ケーキとはその名の通り豆腐を使ったケーキのことで、特に甘いものを制限している方におすすめなメニューです。

通常、ケーキは小麦粉をふんだんに使うため高カロリーになりがちですが、そこに豆腐を混ぜることにより、ヘルシーかつ高栄養価な一石二鳥デザートを実現しています。

しかも、胎児の発育に必要なタンパク質をスイーツ感覚で摂取できる点も見逃せません。

参考:『妊婦のためのたんぱく質たっぷり豆腐ケーキ』

胎児に悪影響を及ぼす栄養素や食べ物とは?

これまで、妊娠後期の女性に必要な栄養素やおすすめメニューについて紹介してきましたが、それとは逆に摂取するのが好ましくないものも存在します。

それが以下の5つです。

胎児に悪影響を及ぼすもの主な食べ物
生もの生魚・生肉・生卵・加熱していない貝類・寿司・ナチュラルチーズ
アルコール日本酒・焼酎・ビール・ワイン・ウィスキー
カフェインコーヒー・烏龍茶・日本茶・紅茶
ビタミンAレバー・うなぎ・緑黄色野菜・マーガリン
メチル水銀金目鯛・メカジキ・本マグロ・キダイ・メバチ

なお、こういった食べ物に関する注意事項は全国の地方自治体から配布されている母子手帳にも記されているので、そちらもあわせてチェックするようにしましょう。

食中毒を発症する可能性がある生もの

厚生労働省が発行している『マタニティリステリア菌チラシ』では、妊婦は生ハムや生卵、非加熱のナチュラルチーズといった生ものを避けるべきだと注意勧告しています。

これは生ものの中に感染症の原因となるリステリア菌やトキソプラズマが含まれている可能性があるからですね。

妊娠時の女性の免疫力が下がっているのは良く知られていることですが、これは自分と異なる遺伝子をもつ胎児を異物として攻撃しないためのものです。

このように非妊娠時には問題がない常在菌でも、妊婦や胎児にとっては命取りになりかねないケースがあるので注意しましょう。

細胞の発達を阻害するアルコール

日本産婦人科医会が作成している『飲酒、喫煙と先天異常』では、妊娠中のアルコール摂取は流産や死産、先天異常を招く原因につながると断言しています。

これはアルコールやその代謝過程で作られるアセトアルデヒドが、胎盤を通じて胎児に悪影響を及ぼしてしまうためです。

他のサイトでは「何らかのイベントや行事の際にだけ飲む『機会飲酒』なら問題ない」と述べているところもありますが、残念ながら安全だとされる量は確立されていません。

また、少量でも胎児に悪影響を及ぼす可能性があるため、アルコールはできる限り飲まないことが好ましいですね。

健康リスクが高くなるとされるカフェイン

カフェインといえば、主にコーヒーに含まれる物質として知られていますよね。

実は、世界保健機関(WHO)では、胎児への影響は判明していないとしつつも、コーヒーを飲む量は1日あたり3~4杯までにすべきと呼びかけています。

このような呼びかけは他の政府機関からもなされており、例えばカナダ保健省 (HC)では1日あたり最大300mgまでで、英国食品基準庁(FSA)では1日当たりのカフェイン摂取量を200mgまでとしています。

ちなみに、この200mgという量はマグカップのコーヒー約2杯分に相当するため、コーヒーを常飲する方は注意してくださいね。

胎児の器官形成に悪影響を及ぼすビタミンA

ビタミンAはウナギやレバーなどに含まれている脂溶性ビタミンの一種で、主に視覚や聴覚の機能維持、皮膚や粘膜を正常化する働きがあります。

これだけを聞くと非常によい印象を持つかもしれませんが、実はビタミンAは水に溶けにくいため、1度摂取すると中々体外に排出されません。

結果として過剰摂取に陥りやすく、胎児が先天異常を来してしまう恐れがあるのです。

とはいえ、問題になるのはあくまで過剰摂取です。

日本産婦人科医会の『食事と先天異常』にもある通り、ビタミンAはサプリメントを併用しない限り過剰症を発症することはほとんどありません。

金目鯛やメカジキに含まれるメチル水銀

古来より、魚介類は日本人にとって貴重なタンパク源として重宝されてきました。

しかし、最近の研究で金目鯛やメカジキといった一部の魚は、食物連鎖の過程で少量のメチル水銀を体内に取り込むと明らかにされています。

いうまでもなく、メチル水銀は人体にとって非常に有害な物質で、お腹の中の赤ちゃんへの悪影響も報告されています。

実際に、厚生労働省の『これからママになるあなたへ』では、メチル水銀含有量が多い金目鯛やメカジキ、本マグロ、メバチなどは1週間に約80g(刺身1人前、切身1切れ)までに抑えるよう呼びかけていますよ。

妊娠後期は胃もたれや消化不良が起こりやすい時期!食事で注意すべきことは?

妊娠後期は胃もたれや消化不良など、何かと胃に関する異常が起こりやすい時期です。

これは子宮が大きくなることで胃を圧迫するために引き起こされます。

また、妊娠期間は総じて消化器官の働きが弱まる傾向にあり、筋肉が緩んだ拍子に胃の内容物が逆流してしまいます。

こういった事態を防ぐためには一体どうすればよいのでしょうか。

食事で注意すべきことについてもあわせて解説するので、具体的に確認していきましょう。

摂取カロリーは普段よりも450kcal多めに!でも食べすぎは太る原因にも

『日本人の食事摂取基準』によると妊娠後期の推定エネルギー必要量は、1日当たり約450kcal増加して2150~2,450kcalになるとされています。

しかし、お腹が大きくになるということはそれだけ運動量が減ることを意味しますから、当然食べすぎは太る原因に繋がります。

そこでおすすめしたいのが分割食です。例えば、1回ごとの食事量を半人前~0.7人前程度にして、1日3回の食事を4~5回に増やすというのが分割食の典型例ですね。

また、この食事法は胃の消化を助ける効果もあるため、消化不良や胃もたれに悩まされる方にもおすすめですよ。

高血圧や糖尿病を防ぐために塩分や糖分は控えめに!

一般にはあまり知られていませんが、実は妊婦は高血圧や糖尿病を発症しやすいです。

これは主にホルモンバランスや血糖コントロールの乱れによって引き起こされますが、少なからず食生活も関係しているとされています。

特に、注意していただきたいのがハムやソーセージといった加工肉に含まれている塩分で、自分では減塩しているつもりでも、知らぬ間に塩分を過剰摂取してしまうケースもあります。

こういった事態を防ぐためにも、定期的におこなわれる妊婦健診を必ず受けるようにし、日頃からバランスのよい食事を心がけるようにしましょう。

「羊水を作るために水分摂取量を増やす必要がある」は本当?

妊婦が水分補給する必要性を述べる際に、必ずといっていいほど聞かれるのが「羊水を作るために水分摂取量を増やす必要がある」という意見です。

確かに、羊水は妊娠後期に差し掛かると約800mlにまで増加しますが、だからといってこれを鵜呑みにすることはできません。

というのも、日本助産学会誌の『妊婦の体水分バランスと予後に関する文献検討』によると、水分補給と羊水量による関連は確かに示されていますが、それを推奨するための臨床的な根拠は示されていないからです。

とはいえ、水分摂取量が少ない人が多いのは事実です。

また、妊婦はつわりや下痢、嘔吐など脱水症状に陥るリスクに常に晒されているので、その点で水分補給は非常に重要だといえます。

まとめ

この記事では妊娠後期に取るべき食べ物や栄養について解説しました。

普通の大人が大丈夫な食べ物でも、妊婦や胎児にとって有害であるケースは少なからず存在します。

そんな時に、自分たちの身を守ってくれるのが正しい知識です。

この記事を読んだあなたなら誤った知識に踊らされることはもうないので、ぜひ胸を張って赤ちゃんを迎えてあげてくださいね!

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