妊娠後期に知っておきたい食べ物の知識|必要な栄養素4つも解説

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「妊娠後期に差し掛かったのだけど、これから食生活はどのように変えていけばいいのだろう…?」と疑問に感じているのではないでしょうか。

妊娠後期はお腹の中の赤ちゃんの発育が急速に進む大切な期間、だからこそ赤ちゃんにとって最善の選択肢を選んであげたいところ。

そこで今回は、妊娠後期にとるべき食べ物や栄養素について解説します。

記事の後半では、それらの食材を使ったおすすめレシピや食べるのが好ましくないもの、食事の注意点などについても解説しているので、この記事を参考に出産までの準備を整えてくださいね!

妊娠後期に必要な食べ物と栄養素

妊娠後期の女性に必要な栄養素としては、主に以下の4つが挙げられます。

必要な栄養素摂取推奨量主な食べ物
タンパク質75g肉・魚・乳製品・卵・豆類・大豆製品
カルシウム650mg牛乳・ヨーグルト・しらす・ごま・小松菜
16.0mgマイワシ・あさり・小松菜・納豆
葉酸480μg枝豆・ほうれん草・ブロッコリー

それではひとつずつ解説していきます。

赤ちゃんの筋肉を作るタンパク質

厚生労働省による『日本人の食事摂取基準(2020年版)』によると、妊娠後期の女性は非妊娠時よりもタンパク質を25g多めに摂るべきだとされています。

というのも、妊娠後期は胎児の発育が急速に進む期間であり、同様に胎児の体の基礎を作るタンパク質も必要量が増えるためですね。

ちなみに、非妊娠時の女性が摂取すべきタンパク質量の基準は約50gとなっています。

比較的タンパク質が多めに含まれている食べ物としては納豆や卵が挙げられますが、その納豆も1パック(45g)で約7.4g、卵1個で約6.2gほどしか含まれていません。

そのため、大豆や卵に加えて、肉や魚といった主菜をバランスよく食べることが重要です。

赤ちゃんの骨を作るカルシウム

カルシウムは赤ちゃんの骨の形成に必要不可欠な栄養素です。

妊娠中は腸管からのカルシウム吸収率が増加するため、カルシウムの付加量は定められていません。しかし20~40代のカルシウム摂取量は不足が問題になっています。付加量がないとはいえ、意識して摂取しましょう。

ちなみに、コップ1杯(約200g)の牛乳に含まれるカルシウムは約220mgです。妊娠後期はコップ2杯程度の牛乳を飲むことがすすめられています。ヨーグルトやチーズでもOKです。間食に取り入れるなどして、カルシウムを補いましょう。

貧血を予防する鉄分

妊娠中は赤ちゃんに栄養を送るため、または母体の血液が薄まった状態になるため、鉄の必要量が大幅に増加します。

鉄分が不足することでヘモグロビンの濃度が低下し、貧血を引き起こす原因に繋がるので注意しましょう。

鉄分を効率的に摂取したい方は、小松菜やあさりなどがおすすめですよ。

赤ちゃんの発育を助ける葉酸

葉酸は数あるビタミンの中でも、特に妊娠時に必要だとされている栄養素です。赤ちゃんの神経管閉鎖障害のリスクを減らすため、積極的な葉酸摂取が勧められています。

妊娠初期にとくに必要な栄養素ではありますが、妊娠後期も補う必要があります。ほうれん草や小松菜、キャベツといった葉野菜を積極的に摂りましょう。

ちなみに、非妊娠時における推奨量は240μg、妊娠中期~後期における推奨量はその倍の480μgとなっています。

妊娠後期の女性におすすめな料理レシピ5選!

具体的に食べるべきものが理解できたところで、次にこれらの食材を使ったおすすめ料理レシピについて見ていきましょう。

いずれも、すぐ作れるようにクックパッドのレシピからピックアップしているので、実際に作ってみたい方はぜひそちらを参照してくださいね。

しらすと小松菜のチャーハン

引用:cookpad.com

卵でタンパク質、しらすでカルシウム、小松菜で鉄分や葉酸など、妊婦が必要とする栄養素がバランスよく含まれているところがポイントです。

作り方も熱したフライパンに卵、小松菜、しらす、白米、塩コショウ、しょう油を投入して炒めるだけなので、身重な体でもさっと作れますよ。

参考:『妊婦飯◎しらすと小松菜のチャーハン』

ワカメアボ納豆

引用:cookpad.com

ワカメアボ納豆とは卵かけご飯に、市販の納豆、水で戻したワカメ、さいの目に切ったアボカド、カイワレ大根を投入しただけの簡単メニューです。

ポイントはしょう油などを加えずに、納豆のタレとゆかりだけで味を調整しているところ。

塩分控えめなうえ、さらっと食べれるレシピなので、塩分が気になる方にもおすすめです。

参考:『妊娠後期に最適!簡単♪ワカメアボ納豆』

ほうれん草と舞茸の和え物

引用:cookpad.com

ほうれん草と舞茸の和え物は、ゆでたほうれん草と舞茸に炒り卵を加えて和えたもので、おつまみからお弁当まで幅広く活躍するメニューとなっています。

ほうれん草は鉄分だけでなく、鉄分の吸収率を上げてくれるビタミンC、葉酸を摂れる優秀な食材です。

また、舞茸には食物繊維がたっぷり含まれているため、便秘改善も期待できますよ。

参考:『妊娠、授乳に!ほうれん草と舞茸の和え物』

春雨スープ

引用:cookpad.com

春雨スープはヘルシーなのはもちろんのこと、さらっと食べられて腹持ちもよいため、体重増加しがちな妊娠後期の心強い味方となってくれることでしょう。

また、春雨スープはアレンジしやすい点もポイントで、今回取り上げているものは豚肉を入れることにより動物性タンパク質も摂取できるようになっています。

参考:『妊婦に優しい春雨スープ』

豆腐ケーキ

引用:cookpad.com

豆腐ケーキとはその名の通り豆腐を使ったケーキのことで、特に甘いものを制限している方におすすめなメニューです。

通常、ケーキは小麦粉をふんだんに使うため高カロリーになりがちですが、そこに豆腐を混ぜることにより、ヘルシーかつ高栄養価な一石二鳥デザートを実現しています。

しかも、赤ちゃんの発育に必要なタンパク質をスイーツ感覚で摂取できる点も見逃せません。

参考:『妊婦のためのたんぱく質たっぷり豆腐ケーキ』

赤ちゃんに影響を及ぼす栄養素や食べ物とは?

これまで、妊娠後期の女性に必要な栄養素やおすすめメニューについて紹介してきましたが、それとは逆に摂取するのが好ましくないものも存在します。

それが以下の5つです。

胎児に影響を及ぼすもの主な食べ物
生もの生魚・生肉・生卵・加熱していない貝類・寿司・ナチュラルチーズ
アルコール日本酒・焼酎・ビール・ワイン・ウィスキー
カフェインコーヒー・烏龍茶・日本茶・紅茶
ビタミンAレバー・うなぎ
メチル水銀金目鯛・メカジキ・本マグロ・キダイ・メバチ

NGな食べ物について、詳しくは以下の記事で解説しています。

食中毒を発症する可能性がある生もの

妊娠中は免疫力が低下してしまうため、食中毒になってしまうリスクが一般の方に比べると高くなっています。とくにリステリア菌トキソプラズマなどは赤ちゃんに影響がある食中毒菌として知られています。

発達を妨げるアルコール

妊娠中の飲酒は、量や時期に関係なく赤ちゃんへ影響する可能性があることが知られています。

赤ちゃんへ影響することを胎児性アルコール症候群といい、流産、成長の遅れ、顔面の形成不全、中枢神経系の障害などが知られています。

少量でも影響があるとされているため、「一口だけなら…」という考えも絶対にNGです。

カフェイン

カフェインの過剰摂取により、赤ちゃんの成長遅延、出生児の低体重、早産、または死産と関連する可能性があると考えられています。

カフェインはコーヒーに多く含まれており、妊娠中はコーヒーなどのカフェインが含まれるもののとりすぎに注意する必要があります。コーヒーでいえば1日1~2杯程度が目安です。

奇形の可能性があるビタミンA

妊婦がビタミンAを摂り過ぎた場合、赤ちゃんの奇形の可能性があることが知られています。

ただし、野菜に含まれるβ-カロテン由来のビタミンAは問題ないとされており、注意すべきはレバーやうなぎに含まれるビタミンAです。妊娠中は量や頻度に気をつけて摂取しましょう。

金目鯛やメカジキに含まれるメチル水銀

金目鯛やメカジキなどの大型の魚にはメチル水銀が含まれ、妊娠中に多量に摂取することで赤ちゃんへの影響が知られています。大型の魚は食物連鎖の関係で、メチル水銀を体内にため込みやすく、注意が必要です。

しかしツナ缶、サケ、サバ、アジ、イワシ、さんま、ブリ、カツオなどの普段よく食べる魚であれば問題ありません。

詳しくは厚生労働省「これからママになるあなたへ」のパンフレットを参考にしてください。

妊娠後期は胃もたれや消化不良が起こりやすい時期!食事で注意すべきことは?

妊娠後期は胃もたれや消化不良など、何かと胃に関する異常が起こりやすい時期です。

これはホルモンの影響や子宮が大きくなることで胃を圧迫するために引き起こされます。

食事で注意すべきことについても解説するので、具体的に確認していきましょう。

摂取カロリーは妊娠前よりも450kcal多めに!でも食べすぎは太る原因にも

厚生労働省の日本人の食事摂取基準(2020年版)によると、妊娠後期は妊娠前に比べ、450kcalほどプラスする必要があります。トータルの量は1日2150~2450kcalほどです。

妊娠後期は運動量が減りやすいため、体重増加に悩まされる方も多いですが、消化不良で食べられないという方までさまざまです。分割食にすることで、食べすぎを防いだり消化への負担を減らしたりすることもできます。

塩分や糖分は控えめに!

むくみの原因となる塩分や、体重増加や妊娠糖尿病の原因となる糖分は控えめにしましょう。妊娠後期はとくにむくみや体重増加に悩まされる時期です。バランスのよい食事を心がけるようにしましょう。

まとめ

この記事では妊娠後期に取るべき食べ物や栄養について解説しました。あともう少しで会える赤ちゃんのために、辛い妊娠後期を乗り切りましょう。

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